“いっしょく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一触50.0%
一拭16.7%
一燭16.7%
一色16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
怒潮四千の軍馬に揉み込まれては、文字どおり鎧袖がいしゅう一触いっしょくで、敢然、孤槍をふるって立ち向う兵は、忽ち、泥地でいち血漿けっしょうと化し、多くは四散して、次の防塁にろうとした。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新政府が立ち、すべて「北条九代」の社会は一拭いっしょくされたようでも、広汎な土壌に潜む旧幕人たちの生命綱いのちづなは、まだどこかで息をしているにちがいない。
……続くと、一燭いっしょくの電燈、——これも行燈にしたかったと言う——朦朧もうろうとして、茄子の牛がうずくまったような耳盥みみだらいが黒く一つ、真中に。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
即ち北斎が富嶽三十六景においてなせしが如く北寿もまた全画面の彩色中さいしきちゅうその根調こんちょうとなるべき一色いっしょくを選びて常にこれによつて諧音的の効果を奏せんとする苦心を示したり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)