“いちぶん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イチブン
語句割合
一分92.9%
一文7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さればとて舊主を裏切っては武士の一分いちぶんがすたれることをおもんぱかって、孰方どちらへも義理が立つように失明の手段を取ったのであると。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
むなしく、その方どもが、蜂須賀村へ帰るのは、一分いちぶんが立たぬというなら、不肖ふしょう十兵衛の身を、擒人とりことして、連れて行くもよい。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたしは、先生せんせいなつ嘉例かれいとしてくだすつた、水色みづいろきぬべりをとつた、はい原製ばらせいすゞしい扇子あふぎを、ひざめて、むねしかつて車上しやじやう居直ゐなほつた。しかしてだいつて極暑ごくしよ一文いちぶんこゝろあんじた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
書肆しょしの方には一年に月数拾円の損として他方に広告機関ともなる利益もあるはずこの条件に近い所にて大倉もうけ合ひさうなものに候がどういふ工合ぐあいにて謝絶せしやら何はともあれ来月中旬にいづれ雑誌発刊のはこびと存候ついてはほぼ原稿締切期限等御示教被下度ごじきょうくだされたく候小生も何か一文いちぶん寄稿したく候
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)