トップ
>
惡戯
>
いたづら
ふりがな文庫
“
惡戯
(
いたづら
)” の例文
新字:
悪戯
江戸の噂の種を掻き集めて歩く八五郎は、生れながらの新聞記者で、好意と
惡戯
(
いたづら
)
つ氣と、好奇心と洒落つ氣に
充
(
み
)
ち溢れてをりました。
銭形平次捕物控:322 死の秘薬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
品
(
しな
)
には
與吉
(
よきち
)
が
惡戯
(
いたづら
)
をしたり、おつぎが
痛
(
いた
)
いといつて
指
(
ゆび
)
を
啣
(
くは
)
へて
見
(
み
)
せれば
與吉
(
よきち
)
も
自分
(
じぶん
)
の
手
(
て
)
を
口
(
くち
)
へ
當
(
あて
)
て
居
(
ゐ
)
るのが
目
(
め
)
に
見
(
み
)
えるやうである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
桃林和尚
(
たうりんをしやう
)
はその
話
(
はなし
)
も
聞
(
き
)
いて
知
(
し
)
つて
居
(
を
)
りましたから、いづれ
狐
(
きつね
)
がまた
何
(
なに
)
か
惡戯
(
いたづら
)
をするためにお
寺
(
てら
)
へ
訪
(
たづ
)
ねて
來
(
き
)
たに
違
(
ちが
)
ひないと、
直
(
すぐ
)
に
感
(
かん
)
づきました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『
若
(
も
)
しも
汝
(
なんぢ
)
がそれに
署名
(
しよめい
)
しなかつたとすれば』と
云
(
い
)
つて
王樣
(
わうさま
)
は、『
尚々
(
なほ/\
)
惡
(
わる
)
い、
汝
(
なんぢ
)
の
惡戯
(
いたづら
)
に
相違
(
さうゐ
)
ない、さもなければ
正直
(
しようぢき
)
に
署名
(
しよめい
)
して
置
(
お
)
くべき
筈
(
はづ
)
だ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
やがては
墨染
(
すみぞめ
)
にかへぬべき
袖
(
そで
)
の
色
(
いろ
)
、
發心
(
はつしん
)
は
腹
(
はら
)
からか、
坊
(
ぼう
)
は
親
(
おや
)
ゆづりの
勉強
(
べんきよう
)
ものあり、
性來
(
せいらい
)
をとなしきを
友達
(
ともだち
)
いぶせく
思
(
おも
)
ひて、さま/″\の
惡戯
(
いたづら
)
をしかけ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
が、
惡戯
(
いたづら
)
氣分
(
きぶん
)
になつて、
夫
(
をつと
)
は
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
かなかつた。そして、なほも
蜂
(
はち
)
の
體
(
からだ
)
につつ
突
(
つ
)
きかかると、すぐ
嘴
(
くちばし
)
が
松葉
(
まつば
)
に
噛
(
か
)
みついた。
不思議
(
ふしぎ
)
にあたりが
靜
(
しづ
)
かだつた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
かう
云
(
い
)
ふ
惡戯
(
いたづら
)
をする
年頃
(
としごろ
)
の
娘
(
むすめ
)
は
固
(
もと
)
よりの
事
(
こと
)
、
子供
(
こども
)
と
云
(
い
)
ふ
子供
(
こども
)
を
育
(
そだ
)
て
上
(
あ
)
げた
經驗
(
けいけん
)
のない
宗助
(
そうすけ
)
は、
此
(
この
)
小
(
ちひ
)
さい
赤
(
あか
)
い
夜具
(
やぐ
)
の
尋常
(
じんじやう
)
に
日
(
ひ
)
に
干
(
ほ
)
してある
有樣
(
ありさま
)
をしばらく
立
(
た
)
つて
眺
(
なが
)
めてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
偶然にも造花の
惡戯
(
いたづら
)
によつて造られ、親も知らず兄弟も知らずに、蟲の啼く野の石に捨てられて、地獄の鐵の壁から傳はつてくる大地の冷氣に
育
(
はぐ
)
くまれ、常に人生といふ都の外濠傳ひに
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「お前は唯の惡人らしくもねえが、——
惡戯
(
いたづら
)
にしちや、少し念が入り過ぎるぜ。一體どうして人樣の物に手を掛ける氣になつたんだ」
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それから
數日間
(
すうじつかん
)
は
主人
(
しゆじん
)
の
家
(
うち
)
に
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
せなかつた。
内儀
(
かみ
)
さんは
傭人
(
やとひにん
)
の
惡戯
(
いたづら
)
を
聞
(
き
)
いて
寧
(
むし
)
ろ
憐
(
あはれ
)
になつて
又
(
また
)
こちらから
仕事
(
しごと
)
を
吩咐
(
いひつ
)
けてやつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
いかにそゝツかしい
山家
(
やまが
)
の
鼠
(
ねずみ
)
でも、そこに
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
る
女
(
をんな
)
の
人
(
ひと
)
の
鼻
(
はな
)
を
間違
(
まちが
)
へて、お
芋
(
いも
)
かなんかのやうに
食
(
た
)
べようとしたなんて、そんなことはめつたに
聞
(
き
)
かない
惡戯
(
いたづら
)
ですから。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
切
(
き
)
られぬ
縁
(
ゑん
)
の
血筋
(
ちすぢ
)
といへば
有
(
あ
)
るほどの
惡戯
(
いたづら
)
を
盡
(
つく
)
して
瓦解
(
ぐわかい
)
の
曉
(
あかつき
)
に
落
(
おち
)
こむは
此淵
(
このふち
)
、
知
(
し
)
らぬと
言
(
い
)
ひても
世間
(
せけん
)
のゆるさねば、
家
(
いへ
)
の
名
(
な
)
をしく
我
(
わ
)
が
顏
(
かほ
)
はづかしきに
惜
(
を
)
しき
倉庫
(
くら
)
をも
開
(
ひら
)
くぞかし
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「すべてが運命の
惡戯
(
いたづら
)
……」
S中尉の話
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
そのうちの幾つかは偶然の出來事であつたかも知れず、殘りの幾つかは、人手で行はれた、タチの惡い
惡戯
(
いたづら
)
だつたかも知れないのです。
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
巫女
(
くちよせ
)
の
唱
(
とな
)
へたことだけでは
惡戯
(
いたづら
)
な
若
(
わか
)
い
衆
(
しゆ
)
の
意志
(
こゝろ
)
も
知
(
し
)
らない
二人
(
ふたり
)
には
自分等
(
じぶんら
)
がいはれて
居
(
ゐ
)
ることゝは
心
(
こゝろ
)
づく
筈
(
はず
)
がなかつたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私
(
わたし
)
のやうな
狐
(
きつね
)
でも
生
(
うま
)
れ
變
(
かは
)
つたやうになれば、
斯
(
か
)
うして
社
(
やしろ
)
の
番人
(
ばんにん
)
をさせて
頂
(
いたゞ
)
けるのです。
私
(
わたし
)
がもう
若
(
わか
)
い
時分
(
じぶん
)
のやうな
惡戯
(
いたづら
)
な
狐
(
きつね
)
でない
證據
(
しようこ
)
には、この
私
(
わたし
)
の
口
(
くち
)
を
御覽
(
ごらん
)
になつても分ります。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
吾助
(
ごすけ
)
は
斯
(
か
)
く
思
(
おも
)
ひて
斯
(
か
)
く
言
(
い
)
ふを、
後生
(
ごしやう
)
、
姉樣
(
ねえさま
)
返事
(
へんじ
)
を
賜
(
たま
)
はれ、
决
(
けつ
)
して
此後
(
こののち
)
我
(
わが
)
まヽも
言
(
い
)
はず
惡戯
(
いたづら
)
もなすまじければ、
吾助
(
ごすけ
)
の
田舍
(
ゐなか
)
へ
歸
(
かへ
)
らぬやう、
今
(
いま
)
まで
通
(
どほ
)
り一
處
(
しよ
)
に
遊
(
あそ
)
ばれるやう
返事
(
へんじ
)
を
賜
(
たま
)
はれ
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
石川孫三郎の顏は
硬張
(
こはば
)
りました。何と言はうと、どう
誤魔化
(
ごまか
)
さうと、この
惡戯
(
いたづら
)
は、屋敷内に住んでゐる者の
仕業
(
しわざ
)
でなければなりません。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此
(
この
)
美登利
(
みどり
)
さんは
何
(
なに
)
を
遊
(
あそ
)
んで
居
(
ゐ
)
る、
雨
(
あめ
)
の
降
(
ふ
)
るに
表
(
おもて
)
へ
出
(
で
)
ての
惡戯
(
いたづら
)
は
成
(
な
)
りませぬ、
又
(
また
)
此間
(
このあひだ
)
のやうに
風引
(
かぜひ
)
かうぞと
呼立
(
よびた
)
てられるに、はい
今
(
いま
)
行
(
ゆき
)
ますと
大
(
おゝ
)
きく
言
(
い
)
ひて、
其聲
(
そのこゑ
)
信如
(
しんによ
)
に
聞
(
きこ
)
えしを
耻
(
はづ
)
かしく
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「そんな
惡戯
(
いたづら
)
は今に始まつたことぢやないよ。命を取ると言つた奴が、昔から本當に命を取つた
例
(
ため
)
しは無い。放つて置くが宜い」
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
十歳
(
とを
)
ばかりの
頃
(
ころ
)
までは
相應
(
さうおう
)
に
惡戯
(
いたづら
)
もつよく、
女
(
をんな
)
にしてはと
亡
(
な
)
き
母親
(
はゝおや
)
に
眉根
(
まゆね
)
を
寄
(
よ
)
せさして、ほころびの
小言
(
こごと
)
も十
分
(
ぶん
)
に
聞
(
き
)
きし
物
(
もの
)
なり、
今
(
いま
)
の
母
(
はゝ
)
は
父親
(
てゝおや
)
が
上役
(
うわやく
)
なりし
人
(
ひと
)
の
隱
(
かく
)
し
妻
(
づま
)
とやらお
妾
(
めかけ
)
とやら
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「逢つてやらうぢやないか、お取次ぎに及ぶものか、——お粂さんの
惡戯
(
いたづら
)
が過ぎるから、八五郎にまで嫌がられるぢやないか」
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
連
(
つ
)
れて
來
(
こ
)
やうと
思
(
おも
)
ひましたけれど
彼
(
あ
)
の
子
(
こ
)
は
宵
(
よひ
)
まどひで
最
(
も
)
う
疾
(
と
)
うに
寐
(
ね
)
ましたから
其
(
その
)
まゝ
置
(
お
)
いて
參
(
まゐ
)
りました、
本當
(
ほんたう
)
に
惡戯
(
いたづら
)
ばかりつのりまして
聞
(
きゝ
)
わけとては
少
(
すこ
)
しもなく、
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
れば
跡
(
あと
)
を
追
(
お
)
ひまするし
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「泳ぎ自慢の若旦那が、
舷
(
ふなばた
)
に
俯向
(
うつむき
)
になつてゲエゲエやつて居るから、つい
惡戯
(
いたづら
)
がして見度くなつたまでのことですよ、親分」
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
誰
(
だ
)
れだと
大
(
おほ
)
きく
父親
(
ちゝおや
)
の
聲
(
こゑ
)
、
道
(
みち
)
ゆく
惡太郎
(
あくたらう
)
の
惡戯
(
いたづら
)
とまがへてなるべし。
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「話はちよいと面白いが、それつきりぢや仕樣がない。お狐にしちや手數がかゝるから、いづれは誰かの
惡戯
(
いたづら
)
だらう。提灯屋が喜ぶだけの事さ」
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大の人間が一人、こんな恰好になつて死ぬためには、天狗の
惡戯
(
いたづら
)
か、雲を踏み外した仙人か——そんな途方もないことでも考へなければなりません。
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「だつて親分、觀音樣の境内ですつた紙入の中から出たんですぜ。巾着切にすられるのを當て込んで、
惡戯
(
いたづら
)
書きの遺書を用意するものもないでせう」
銭形平次捕物控:307 掏られた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いえ、それがほんの手ほどきで、それから、あらゆる
惡戯
(
いたづら
)
と嫌がらせが始まりました。命に別條は無く、誰も怪我を
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
幸七の後ろには、好い男の手代良助、
惡戯
(
いたづら
)
盛りらしい小僧の庄吉などが、不安と焦躁に
固唾
(
かたづ
)
を呑んで控へました。
銭形平次捕物控:205 権三は泣く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お夢の怪我が大したことでないとわかると、振られた男の
惡戯
(
いたづら
)
を、詮索立てする馬鹿/\しさを
覺
(
さと
)
つたのでせう。
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
後ろから呼び留めたのは、小僧の孝吉——主人玄龍のもとの内儀の弟の、あの
惡戯
(
いたづら
)
つ子らしい十四の少年でした。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その鬼の小左衞門にこんな可愛らしくて純情らしい
姪
(
めひ
)
があるといふのは、何にか造化の神の大きな
惡戯
(
いたづら
)
を見せつけれらるやうな氣がしないでもありません。
銭形平次捕物控:269 小判の瓶
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「よくある
冗談
(
じようだん
)
だから、あつしはまだ行つてやらなかつたんです、そこで親分を呼出さうといふ
惡戯
(
いたづら
)
でせう」
銭形平次捕物控:298 匕首の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一と目見て
膽
(
きも
)
をつぶし、——この間から見えないと思つた袷がこんなところにあつたのかねえ、誰が一體こんな
惡戯
(
いたづら
)
をしたんだらう——と口惜しがつてゐました
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
滅茶々々に
飜弄
(
ほんろう
)
した女、それは四千五百石取の大旗本の妾お勝が、たま/\奔放な野性の
赴
(
おもむ
)
くまゝ、名題の錢形平次を
弄
(
もてあそ
)
んだ積りの
惡戯
(
いたづら
)
に外ならなかつたのでした。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お前も聞いた筈だ、
昨夜
(
ゆうべ
)
このお屋敷の奧方が
亡
(
な
)
くなられたが——それは惡者の
惡戯
(
いたづら
)
から起つたことだ。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
先代の子なんだから可哀想でもあるが、この小僧は恐ろしく悧發で、
惡戯
(
いたづら
)
つ子で手のつけやうはない
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
惡戯
(
いたづら
)
をした奴がありますよ、糸も針も滅茶々々だ。こんな掛けやうをされちや、
竿
(
さを
)
がたまらない」
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは、佐野松さんの
惡戯
(
いたづら
)
でした。私の牡丹刷毛を借りて、縁側に
撒
(
ま
)
いた灰の上へ
獸
(
けだもの
)
の足跡を拵へたのですが、それつきり私は、牡丹刷毛をしまひ忘れて歸りました。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
萬一お里歸りの若夫婦に、
惡戯
(
いたづら
)
でもされちや大變だから、あつしが頼まれて三日も見張つたわけで
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
町内の掛り付けの醫者も、毒死や
縊死
(
いし
)
ではなく、心の臟の持病で死んだに相違ないと言ふのだ。身體には
鵜
(
う
)
の毛で突いた程の傷もない。寺への投文は誰かの
惡戯
(
いたづら
)
だらうよ。
銭形平次捕物控:182 尼が紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
傅次郎が庭のあたりの塀の外に來て、何にか
惡戯
(
いたづら
)
をしてゐると判つたので、思ひきつてぶつかつて、話をきめようと思つたんです、——外へ出て見ると、良い月夜でした。
銭形平次捕物控:194 小便組貞女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「子供の
惡戯
(
いたづら
)
ぢやございませんか。ものの機みで、何處からか飛んで來たと言つたやうな」
銭形平次捕物控:216 邪恋の償ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
丸窓から入ると、主人はお仲が來たと思ひ込んで
狸寢入
(
たぬきねいり
)
か何んかやつてゐたんだらう。そこを飛びついて一思ひに刺し殺し、ちよつと不動樣の劍に血をつけたのは飛んだ
惡戯
(
いたづら
)
さ。
銭形平次捕物控:130 仏敵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「武家の髷節なんざ、
腐
(
くさ
)
つた
茸
(
たけのこ
)
ほども有難くねえが、一と晩にそいつを三つも四つも切つて落す手際が憎いぢやないか。縛る縛らないは別として、俺はその
惡戯
(
いたづら
)
者の
面
(
つら
)
が
見度
(
みて
)
えよ」
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
弱氣の榮右衞門は、
惡戯
(
いたづら
)
つ
兒
(
こ
)
が、惡戯を見付けられでもしたやうに小さくなるのです。
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
多勢の雇人達が、いろ/\評議をして居る樣子ですが、結局誰の
惡戯
(
いたづら
)
とも解りません。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
錢形平次は縁側に寢そべつたまゝ、冬の
日向
(
ひなた
)
を樂んで居りましたが、ガラツ八の
尤
(
もつと
)
もらしい顏を見ると、
惡戯
(
いたづら
)
つ
氣
(
け
)
がコミ上げて來る樣子で、
頬杖
(
ほゝづゑ
)
を突いた顏を此方へねぢ向けました。
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「その亡者の手紙は、誰かの
惡戯
(
いたづら
)
に違ひないよ。色つぽい後家と、その矢並とか言ふ武家の仲を
妬
(
ねた
)
んで、そんな手紙を書いた、二本足の亡者があるんだらう。あんまり騷ぐと笑はれるぜ」
銭形平次捕物控:203 死人の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
惡
部首:⼼
12画
戯
常用漢字
中学
部首:⼽
15画
“惡戯”で始まる語句
惡戯者
惡戯好
惡戯口
惡戯盛
惡戯氣分