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鼻髯
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びぜん
吾等の
前に
立つて、
武村兵曹と
私との
顏を
眺めたが、
左迄驚く
色がない、
目禮をもつて
傍の
倚子に
腰打ち
掛け、
鼻髯を
捻つて
靜かに
此方に
向直つた。
と
語り
終ると、
聽く
三人は
或は
驚き
或はよろこび。
大佐は
相變らず
鼻髯を
捻りつゝ。
豪壯なる
濱島武文は
胸を
叩いて
『イヤ、イヤ、
决して
御心配なく。』と
彼は
此時珈琲を
一口飮んだが、
悠々と
鼻髯を
捻りながら