鳴雪めいせつ)” の例文
ある人(鳴雪めいせつ氏)曰く、和歌が古来より人を感動せしめたる例すくなしとの説は誤れり。和歌が人を感動せしめたる例枚挙にいとまあらず。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
内藤鳴雪めいせつ、大町桂月けいげつ、森鴎外、泉鏡花、田山花袋、児玉花外、巌谷小波いわやさざなみ、江見水蔭……みんな、会っておいて、よかったと思う人ばかりだ。
胡堂百話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
明治二十八年八月 下戸塚、古白旧廬こはくきゅうろに移る。一日、鳴雪めいせつ、五城、碧梧桐へきごとう、森々招集、運座を開く。
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
其中そのなかにバルザツクの旧宅を保管して居ると云ふ老人は内藤鳴雪めいせつ翁そつくりの顔をして居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
前面の虚子きょし氏はもつと勿体ぶつて居るかと思ひしに一向無造作なる風采なり。鳴雪めいせつ翁は大老人にあらずして還暦には今一ト昔もありさうに思はる。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
この分にてはやがて鳴雪めいせつ老人の跡釜を引き受くることならんと少々寒心の体に有之候。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
羯翁かつおうの催しにて我枕辺に集まる人々、正客しょうきゃく不折を初として鳴雪めいせつ湖村こそん虚子きょし豹軒ひょうけん、及び滝氏ら、蔵六も折から来合きあわされたり。草庵ために光を生ず。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
自分の作句が活字となって現われたのは実にこの『俳諧』を以て初めとする。そうして我らの句と共に並べられた名前に鳴雪めいせつ非風ひふう飄亭ひょうてい古白こはく明庵めいあん五洲ごしゅう可全かぜんらの名前があった。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
鳴雪めいせつ翁曰く、二句めの「や」はとかくたるむものなれど、しもの五文字名詞のみならずして動詞、形容詞などを交へたらんには多少の調和を得べし。例へば
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
鉢に咲く梅一尺の老木おいきかな 鳴雪めいせつ
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
このほか鳴雪めいせつ四方太しほうだ紅緑こうろく、等諸氏の句については近来見る処が少ないのでわざと評を省いて置く。〔『ホトトギス』第五巻第八号 明治35・5・20 二〕
病牀苦語 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
獺祭忌だっさいき鳴雪めいせつ以下も祭りけり
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
○近刊の『ホトトギス』第五巻第九号の募集俳句を見るに、鳴雪めいせつ碧梧桐へきごとう虚子きょし共に選びしうちに
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
余らの俳句を学ぶや類題集中蕪村の句の散在せるを見てややその非凡なるを認めこれを尊敬すること深し。ある時小集の席上にて鳴雪めいせつ氏いう、蕪村集を得来たりし者には賞を与えんと。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
ある時小集の席上にて鳴雪めいせつ氏いふ、蕪村集を得来りし者には賞を与へんと。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
鳴雪めいせつ翁より贈られたるは柴又しばまた帝釈天たいしゃくてんの掛図である。この図は日蓮にちれんが病中に枕元に現はれたといふ帝釈天の姿をそのまま写したもので、特に病気平癒へいゆには縁故があるといふて贈られたのである。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
鳴雪めいせついわく彼をして勝手におごらしめよ、彼はこの場合におけるより外に人に向つて驕るべき場合を持たざるなり、この心を以て我は帽を脱いで丁寧に辞誼じぎすればすなわち可なり、と。けだし有道者の言。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
来客は鳴雪めいせつ虚子きょし碧梧桐へきごとう紅緑こうろく諸氏。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)