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鮑貝
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あわびがい
ふりがな文庫
“
鮑貝
(
あわびがい
)” の例文
へっついは貧乏勝手に似合わぬ立派な者で赤の
銅壺
(
どうこ
)
がぴかぴかして、
後
(
うし
)
ろは羽目板の
間
(
ま
)
を二尺
遺
(
のこ
)
して吾輩の
鮑貝
(
あわびがい
)
の所在地である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
粮米が尽きてからは、島の
幸
(
さち
)
で命をつないだ。雨はきまったように三日おきに降るので、大きな
鮑貝
(
あわびがい
)
をいくつもならべ、足るほどに受けた。
藤九郎の島
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
と徳利を突出した、入道は懐から、
鮑貝
(
あわびがい
)
を
掴取
(
つかみと
)
って、胸を広く、腕へ引着け、
雁
(
がん
)
の首を
捻
(
ね
)
じるがごとく白鳥の口から
注
(
つ
)
がせて
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鮑貝
(
あわびがい
)
を
杓子
(
しゃくし
)
の様にこしらえたものを
携
(
たずさ
)
えて、街道に落ちて居る
馬糞
(
ばふん
)
拾いをして歩いたものだ。
百姓弥之助の話:01 第一冊 植民地の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
志摩
(
しま
)
の女王」と名づけられた、その道の人は誰でも知っている、日本随一の大真珠で、産地は志摩国
大王崎
(
だいおうざき
)
の沖合、
鮑貝
(
あわびがい
)
中から発見された珍らしい天然真珠、形は見事な
茄子
(
なす
)
形
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
まずへっついの影にある
鮑貝
(
あわびがい
)
の中を
覗
(
のぞ
)
いて見ると案に
違
(
たが
)
わず、
夕
(
ゆう
)
べ
舐
(
な
)
め尽したまま、
闃然
(
げきぜん
)
として、怪しき光が引窓を
洩
(
も
)
る
初秋
(
はつあき
)
の日影にかがやいている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
外面
(
そと
)
は大方
朧
(
おぼろ
)
であろう。晩餐に
半
(
はん
)
ぺんの
煮汁
(
だし
)
で
鮑貝
(
あわびがい
)
をからにした腹ではどうしても休養が必要である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
鮑
漢検1級
部首:⿂
16画
貝
常用漢字
小1
部首:⾙
7画
“鮑”で始まる語句
鮑
鮑叔
鮑信
鮑龍
鮑旭
鮑照
鮑玉
鮑氏
鮑捕
鮑廷博