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馳來
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はせきた
夫の
敵覺えたかと
云さま彼の
懷劍を
胴腹へ
突込しかば
平四郎はアツト
聲立仰向に
倒れ七
轉八
倒なす
故隣の
座敷は源八
歌浦なれば
此聲に
驚き
馳來るを
不審建んとなす時
迯出す人あるにより
夫盜人よ
出逢々々と大聲に呼はりけるに大勢
馳來りて見れば加賀屋四郎右衞門なり皆々是は
人違ひ
成んと云に三郎兵衞之を
考へ所持の金子を盜み取んとするにより
引捕へて金子は取り返し以來心を改めよとてよく/\
異見を
差加へ候節宿屋の者共
馳來りて
渠が
片小鬢の毛を
拔取入墨を