餘分よぶん)” の例文
新字:余分
彼ハ郁子ヲかつギ込ンデカラソノママ寝室デウロウロシテイタノダガ、(腰掛ケルニモ餘分よぶん椅子いすガナイノデ、僕ノ寝台ト妻ノ寝台ノ間ニ立ッテイタ)
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
はあ、御串戲ごじようだんをなさりますな、貴下あなたからお酒錢さかてなんぞ、うして餘分よぶん御祝儀ごしうぎねえさんたちにいたゞいてります。格別かくべつをつけてお供申ともまをせとことで。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
打倒さんとするにぞ彌助は大に驚ろき逃出さんとして入口いりぐち障子しやうじ衝中つきあただうと倒れしかば此物音に驚き亭主八五郎はおくよりはせいで來り先々御客さま御勘辨ごかんべん下されよ實はかれが申通り今晩村の寄合御座候につき魚は餘分よぶんに仕入置しにより私し是に居てうかゞひ候はゞ御好通おこのみどほり早速御酒も肴もさし上げ申べけれども何を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「それだけ賃錢ちんせん餘分よぶんります。」
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)