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飛返
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とびかへ
「べらぼうめ、
飛越したぐらゐの、ちよろ
川だ、また
飛返るに
仔細はあるめえ。」と、いきつて
見返すと、こはいかに、
忽ち
渺々たる
大河と
成つて、
幾千里なるや
果を
見ず。
乳母めに、
情が
燃えてゐたら、
若い
温かい
血があったら、テニスの
球のやうに、
予が
吩咐くるや
否や
戀人の
許へ
飛んで
行き、また
戀人の
返辭と
共に
予の
手元へ
飛返って
來つらうもの。
幽ながら、ハツとして
框まで
飛返つて