飛廻とびまわ)” の例文
だのに、餌を見せながら鳴き叫ばせつつ身を退いて飛廻とびまわるのは、あまり利口でない人間にも的確に解せられた。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
れから彼方あちらの貴女紳士が打寄うちよりダンシングとかいって踊りをして見せるとうのは毎度の事で、さていって見た処が少しもわからず、妙な風をして男女なんにょが座敷中を飛廻とびまわるその様子は
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
論文などそっち退けで、朝から家を外に飛廻とびまわっているという有様だった。
天狗岩の殺人魔 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
と話しは四方八方へ飛廻とびまわるに小山の妻君もけむに巻かれたり。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
海鳥かいてう一簇ひとむれ物珍ものめづらしさうその周圍めぐり飛廻とびまわつてる。
四面八角縦横無尽に飛廻とびまわるほどに
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
小児等こどもらの糸を引いてかけるがまゝに、ふら/\と舞台を飛廻とびまわり、やがて、樹根きのねどうと成りて、切なき呼吸いきつく。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)