風向かざむ)” の例文
これは空氣くうき上層じようそうには通常つうじよう西風にしかぜがあるので、下層かそう風向かざむきの如何いかんかゝはらず、こまかな火山灰かざんばひ大抵たいてい大氣中たいきちゆう上層じようそうり、東方とうほうはこばれるにるからである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「あのおさんも、おおきくなったものだ。しかし今日きょうは、風向かざむきがおもしろくないから、りはどうだかな。」と、おじいさんはひとりごとをしたのでした。
窓の内と外 (新字新仮名) / 小川未明(著)
僕は風向かざむきに従つて一様いちやうに曲つた松の中に白い洋館のあるのを見つけた。すると洋館もゆがんでゐた。僕は僕の目のせゐだと思つた。しかし何度見直しても、やはり洋館はゆがんでゐた。
鵠沼雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
風向かざむきがきゅうかわったのだともうすことでございます。
「おやおや風向かざむきが変った。西になった」