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頬冠
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ほゝかむ
ふりがな文庫
“
頬冠
(
ほゝかむ
)” の例文
庇間合
(
ひあはひ
)
へ
捨置
(
すておき
)
て
早足
(
はやあし
)
に
逃出
(
にげいだ
)
し手拭ひにて深く
頬冠
(
ほゝかむ
)
りをなし
膽
(
きも
)
太
(
ふと
)
くも坂本通りを逃行く
機
(
をり
)
から向うより町方の定廻り同心手先三人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それから、幸七が
頬冠
(
ほゝかむ
)
りの男の話をしたのは、若旦那の傳四郎に疑ひをきせようとした細工だが、あれは
大縮尻
(
おほしくじり
)
さ。
銭形平次捕物控:166 花見の果て
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その折屋敷の
主人
(
あるじ
)
は二三人の
下男
(
しもをとこ
)
を相手に、
頬冠
(
ほゝかむ
)
りに尻を
端折
(
はしを
)
つて屋根を這ひ廻つてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
頬冠
(
ほゝかむ
)
りも取らずに、格子の外で二つ三つお辭儀する
卑屈
(
ひくつ
)
らしさが、妙にお靜を
焦立
(
いらだ
)
たせます。
銭形平次捕物控:178 水垢離
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして病人に
手拭
(
てぬぐひ
)
できつく
頬冠
(
ほゝかむ
)
りをさせて裏口まで連れ出した。
背戸
(
せど
)
には
小流
(
こながれ
)
が
可笑
(
をか
)
しさに
堪
(
たま
)
らぬやうに笑ひ声をたてて走つてゐた。医者は病人をその
縁
(
ふち
)
に立たせてかういつた。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
暫く私も眼を
外
(
そ
)
らして、違つた方角を眺めて、ヒヨイト眼を返すと、
頬冠
(
ほゝかむ
)
りをした中年の男が座敷から庭へ飛び降りて、追つかけられるやうに裏の方へ駈けて行くぢやありませんか
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鼓村氏は二三日その友人の
許
(
とこ
)
で遊んだ。
帰途
(
かへり
)
にその渡し場を通ると、矢張り同じ船頭が待つてゐて、慌てて
頬冠
(
ほゝかむ
)
りを取つた。その瞬間鼓村氏は二三日前の
悪戯
(
いたづら
)
を思ひ出した。で、
厳
(
しかつ
)
べらしく言つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「其處に居る野郎で、——やい三次、此處へ來て挨拶をしな。錢形の親分さんが訊きてえことがあるとよ、——あれ、あんな野郎だ。
頬冠
(
ほゝかむ
)
りをしたまゝ顎をしやくるのは、手前の
辭儀
(
じぎ
)
かい」
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
医者は急いで
頬冠
(
ほゝかむ
)
りをとつて、病人の顔を覗き込んだ。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
さうですね、——さう言へば、一人、若い男が——
頬冠
(
ほゝかむ
)
りを
銭形平次捕物控:166 花見の果て
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いや、明るいやうでも、月の光の下では、見違へることがあるものだ。
頬冠
(
ほゝかむ
)
りでもすると、
華奢
(
きやしや
)
な若旦那と、十六の丁稚品吉は、間違へられないものでもあるまい。おや物置の前に下男の嘉七が居るぢやないか、訊いて見よう」
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
頬
部首:⾴
15画
冠
常用漢字
中学
部首:⼍
9画
“頬”で始まる語句
頬
頬杖
頬張
頬被
頬辺
頬骨
頬白
頬髯
頬桁
頬笑