トップ
>
青紫蘇
>
あおじそ
ふりがな文庫
“
青紫蘇
(
あおじそ
)” の例文
細君の心を尽した
晩餐
(
ばんさん
)
の
膳
(
ぜん
)
には、
鮪
(
まぐろ
)
の新鮮な刺身に、
青紫蘇
(
あおじそ
)
の薬味を添えた
冷豆腐
(
ひややっこ
)
、それを味う余裕もないが、
一盃
(
いっぱい
)
は一盃と
盞
(
さかずき
)
を重ねた。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
若い
白瓜
(
しろうり
)
の心を抜き、
青紫蘇
(
あおじそ
)
を塩で
揉
(
も
)
んで詰めて押したのは、
印籠漬
(
いんろうづけ
)
といって喜ばれましたが、
雷干
(
かみなりぼし
)
は
日向
(
ひなた
)
臭いといって好まれませんかった。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
そこらに生えた
青紫蘇
(
あおじそ
)
を、四つの
蹄
(
ひづめ
)
が踏みしだいている。そして立ちすくんだまま、
頸
(
くび
)
を不自然に前に伸ばして、おくびをするような仕草をした。
庭の眺め
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
胡瓜
(
きゅうり
)
もみに
青紫蘇
(
あおじそ
)
。枝豆。到来物の
畳
(
たた
)
みいわし。それに
茄子
(
なす
)
の
新漬
(
しんづ
)
け。飯の時にとろろ
汁
(
じる
)
。すべてお玉の手料理の物で、金兵衛は夕飯に吉左衛門を招いた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
別に一種の薬味として
青紫蘇
(
あおじそ
)
か
茗荷
(
みょうが
)
の子を細かに刻んだのを用意して置いて、
鰹節
(
かつおぶし
)
をたくさんにかき込んで
生醤油
(
きじょうゆ
)
にそれを混ぜて、冷え切った豆腐に付けて食う。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
種は煮焼きしたものも盛に用いたが、蝦と鮑は必ず生きて動いているものを眼の前で料理して握り、物に
依
(
よ
)
っては
山葵
(
わさび
)
の代りに
青紫蘇
(
あおじそ
)
や木の芽や
山椒
(
さんしょう
)
の
佃煮
(
つくだに
)
などを飯の間へ
挟
(
はさ
)
んで出した。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「それからの、
青紫蘇
(
あおじそ
)
を粉にしたのじゃがの、毒にはならぬで、まいれ。」
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
青紫蘇
(
あおじそ
)
の繁った庭の隅に、ポンポンダリヤの赤い花が、一きわ珍らしく目に映った。日は容赦なくどんどん落ちて行く。河狩りの人達が長い柄の付いた銛や網などを担いで向うからやって来た。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
冷し豆腐に、
青紫蘇
(
あおじそ
)
のにおう膳をかこみながら、又八がいえば朱実も
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お粂が持って来て客と父との前に置いた膳の上には、季節がらの
胡瓜
(
きゅうり
)
もみ、
青紫蘇
(
あおじそ
)
、枝豆、それにきざみずるめなぞを酒のさかなに、
猪口
(
ちょく
)
、
割箸
(
わりばし
)
もそろった。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
酒のさかなには、
冷豆腐
(
ひややっこ
)
、薬味、
摺
(
す
)
り
生薑
(
しょうが
)
に
青紫蘇
(
あおじそ
)
。それに
胡瓜
(
きゅうり
)
もみ、
茄子
(
なす
)
の
新漬
(
しんづ
)
けぐらいのところで、半蔵と寿平次とは涼しい風の来る店座敷の軒近いところに、めいめい
膳
(
ぜん
)
を控えた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
青
常用漢字
小1
部首:⾭
8画
紫
常用漢字
中学
部首:⽷
12画
蘇
漢検準1級
部首:⾋
19画
“青紫”で始まる語句
青紫