霹靂はたたがみ)” の例文
たちま二三一青天霹靂はたたがみふるうて、跡なく二三二かき消えぬるをまのあたり見つるに、又ひ来て何をかなす。
霹靂はたたがみはためくさへに、稲光さをの火柱、火ばしらの飛ぶ火のただち、また、とどろ雹ぞ飛びたる。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
彼は裂けるばかりに瞋恚いかりのまなじりをあげて、霹靂はたたがみの落ちかかるように叫んだ。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「何としてさほどつれないぞ。」と、よよとばかりに泣い口説くどいた。と見るや否や隠者の翁は、さそりに刺されたやうに躍り上つたが、早くも肌身につけた十字架くるすをかざいて、霹靂はたたがみの如くののしつたは
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そして霹靂はたたがみあゆみをして245
いにしへより此の毒にあたる人、幾許いくばくといふ事をしらず。死してみづちとなり、或は霹靂はたたがみふるうてうらみむくたぐひは、其の肉をししびし(ほ)にするとも飽くべからず。さるためしはまれなり。
世はむかしの常闇とこやみにかえったかと思われるばかりに真っ暗になって、大地は霹靂はたたがみに撃たれたようにめりめりと震動した。忠通も眼がくらんで俯伏した。女たちは息が詰まって気を失った。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
声あげて笑ふ男子をのこが眼のゆさ霹靂はたたがみなし妻にころばゆ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
熊檮くまがし、女にむかひて、国のかみの召しつるぞ、急ぎまゐれといへど、こたへもせであるを、近く進みてとらふとせしに、たちまち地も裂くるばかりの二〇一霹靂はたたがみ鳴響なりひびくに、許多あまたの人ぐるひまもなくてそこに倒る。
神性かむさがや、霹靂はたたがみ
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
神性かむさがや、霹靂はたたがみ
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)