間髪かんぱつ)” の例文
旧字:間髮
神変夢想流のたか使い——鷹の翼を撃つがごとく、左右を一気に払って間髪かんぱつを入れない栄三郎、もはや今は近よる者もないと見て
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
『おいっ、獅子丸ししまる』と、わざと呼んだ。おもしろ半分に、松明を振りうごかしてばかりいた小冠者は、清盛の濁音だくおんをはね返して、間髪かんぱつに、答えた。
出発前、望月大尉と打合わせてきたところでは、異変が起りかけたら、敵の姿が見えようと見えまいと、間髪かんぱつをいれず、機銃で猛射をすることにしてあった。
宇宙戦隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私は咄嗟とっさに廻れ右をして、間髪かんぱつを入れず、親爺の頬っぺたを殴りつけた。親爺は眼をぱちくりさせ、「あ、ぶった。ぶった。」と頓狂とんきょうな悲鳴をあげて、私の胸倉に取りついた。
安い頭 (新字新仮名) / 小山清(著)
間髪かんぱつれず蘭堂も同じドアから飛込む。
恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
間髪かんぱつの違いだった。
流行暗殺節 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
その嵐のような歓呼の絶頂ぜっちょうに、わが歌姫赤星ジュリアはパッタリ舞台に倒れて虫の息となってしまった。間髪かんぱつを入れず、舞台監督の機転で、大きな緞帳どんちょうがスルスルと下りた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すると間髪かんぱつを入れず、五十嵐の方が風船をフットボールからはずすと、素早くお椀みたいなのを裏返しにして、もう一度フットボールの上に載せる、すると反対の側の風船の肛門が出てくるから
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
……筆勢ひっせいあまっておどし文句をつらねてはみたが、ここで金博士が、間髪かんぱつれず、顔にあたった大蜘蛛おおぐもを払いのけ、きゃあとかすうとかいってくれれば、作者も張合はりあいがあるのであるが、当の博士は
それは、間髪かんぱつをいれない瞬間の出来事でありました。
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と、間髪かんぱつをいれず、轟然ごうぜんと銃声一発。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)