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間中
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あいだじゅう
ふりがな文庫
“
間中
(
あいだじゅう
)” の例文
この
間中
(
あいだじゅう
)
、利根川の汎濫したため埼玉栃木の方面のみならず、東京市川の間さえ二、三日交通が途絶えていたので、線路の修復と共に
買出し
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
いいお天気で、からりと日が照っていたから、この
間中
(
あいだじゅう
)
の
湿気払
(
しっけばら
)
いだと見えて、本堂も
廊下
(
ろうか
)
も明っ放し……で
誰
(
だれ
)
も居ない。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今度の計画は、一ヶ月間十勝にステーションを置いて、教室の人たちが代る代るにやって来て、その
間中
(
あいだじゅう
)
雪の結晶の連続観測をしようというのである。
雪後記
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
自分はこの影と稲妻とを
綴
(
つづ
)
り合せて、もしや兄がこの
間中
(
あいだじゅう
)
癇癖
(
かんぺき
)
の
嵩
(
こう
)
じたあげく、嫂に対して今までにない手荒な事でもしたのではなかろうかと考えた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
孝「殿様には此の
間中
(
あいだじゅう
)
御不快でございましたそうで、お案じ申上げましたが、さしたる事もございませんか」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
それのみか、仙岩の領内を通る
間中
(
あいだじゅう
)
、死の危険を感じなくてはならなかった。緒についたばかりのダルメイダの島原半島布教も、一頓挫を来たしたように見えた。
鎖国:日本の悲劇
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
複雑な変装をしている
間中
(
あいだじゅう
)
富美子の父がそれに気がつかなかったりするところなどはその一例である。
日本の近代的探偵小説:――特に江戸川乱歩氏に就て――
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
後生
(
ごしょう
)
は見て来んことじゃから、それはおってのこと、こうひもじゅうては、眼が舞いそうじゃ、そのうえ、この
間中
(
あいだじゅう
)
の談議ごとに、大難に逢うときは、
百味
(
ひゃくみ
)
の
御食
(
おんじき
)
をくだされて
切支丹転び
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
彼女はそう云ってる
間中
(
あいだじゅう
)
、ただの一度も私をまともに見ようともせず、また彼女の声の調子は、不断とはまるきり違っておりました。私には彼女が嘘をついてると云うことがはっきり分りました。
黄色な顔
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
この
間中
(
あいだじゅう
)
は見るからに、
万紅
(
ばんこう
)
を大地に吹いて、吹かれたるものの地に届かざるうちに、
梢
(
こずえ
)
から後を追うて落ちて来た。忙がしい
吹雪
(
ふぶき
)
はいつか尽きて、今は残る樹頭に嵐もようやく
収
(
おさま
)
った。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は取り散らした書物の間に
坐
(
すわ
)
って、心細そうな父の態度と言葉とを、
幾度
(
いくたび
)
か繰り返し眺めた。私はその時また
蝉
(
せみ
)
の声を聞いた。その声はこの
間中
(
あいだじゅう
)
聞いたのと違って、つくつく
法師
(
ぼうし
)
の声であった。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あのこの
間中
(
あいだじゅう
)
当人がしきりに書いていた本はどうなりました」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“間”で始まる語句
間
間違
間際
間々
間諜
間柄
間近
間隙
間道
間隔