日本の近代的探偵小説にほんのきんだいてきたんていしょうせつ――特に江戸川乱歩氏に就て――――とくにえどがわらんぽしについて――
探偵小説を、一般の小説から、特にきりはなして、これを特殊の眼で見、特殊の批評の尺度をもってこれにのぞみ、あたかも、探偵小説が、先天的に、特殊の価値を約束されているように見做すのは、間違いであると私は考える。 たとえば、コナン・ドイルが、結局 …