銀金具ぎんかなぐ)” の例文
宗助そうすけ銀金具ぎんかなぐいたつくゑ抽出ひきだしけてしきりなかしらしたが、べつなに見付みつさないうちに、はたりとめて仕舞しまつた。それから硯箱すゞりばこふたつて、手紙てがみはじめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
黒棚くろだな御廚子みずし三棚みつだなうずたかきは、われら町家ちょうか雛壇ひなだんには打上うちあがり過ぎるであろう。箪笥たんす長持ながもち挟箱はさみばこ金高蒔絵きんたかまきえ銀金具ぎんかなぐ。小指ぐらいな抽斗ひきだしを開けると、中があかいのも美しい。
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
銀金具ぎんかなぐあついのがつてあつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
宗助は銀金具ぎんかなぐの付いた机の抽出ひきだしを開けてしきりに中をしらべ出したが、別に何も見つけ出さないうちに、はたりとあきらめてしまった。それから硯箱すずりばこふたを取って、手紙を書き始めた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)