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鉄砲笊
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てっぽうざる
ふりがな文庫
“
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)” の例文
旧字:
鐵砲笊
又、此の屑屋が
興
(
きょう
)
がつた男で、
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)
を
担
(
かつ
)
いだまゝ、落ちた
処
(
ところ
)
を
俯向
(
うつむ
)
いて、
篦鷺
(
へらさぎ
)
のやうに、竹の
箸
(
はし
)
で
其処等
(
そこら
)
を
突
(
つっ
)
つきながら、
胡乱々々
(
うろうろ
)
する。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)
をかつがずに、
素
(
す
)
のままの姿で、今日も万吉が例の焼け跡へ来てみると、そこに果たして、彼がこの間うちから心待ちにしていた消息があった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
乾児の岡っ引二人のうち弟分の葬式彦兵衛は芝の方を廻るとだけ言い置いて、いつものとおり
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)
を肩にして夜明けごろから道楽の紙屑拾いに出かけて行った。
釘抜藤吉捕物覚書:02 梅雨に咲く花
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
路地の外に頑張って、しばらく様子を見ていると、
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)
を担いだ
屑屋
(
くずや
)
が一人、何にも言わずにノソノソと入って行きます。多分、この路地の中に住む
店子
(
たなこ
)
の一人でしょう。
銭形平次捕物控:058 身投げする女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
入
(
い
)
れると、まだ
天狗
(
てんぐ
)
のいきの、ほとぼりが消えなかつたと見えて、
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)
へ、腰からすつぽりと
納
(
おさま
)
つたのである。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
いつぞや、墨屋敷の窓の下で、お綱と約束したことがあるので、彼は、例の
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)
を肩にかけて、その日妻恋坂のお綱の家を、ソッと
覗
(
のぞ
)
いてきたのである。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)
を担いで江戸中を廻り、古着、ガラクタ、紙屑までも買って歩いて、それを問屋に持込み、わずかばかりの口銭を取って、その日その日を細々と送っている屑屋ですから
銭形平次捕物控:095 南蛮仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
加山
耀蔵
(
ようぞう
)
は
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)
をかついで
紙屑屋
(
かみくずや
)
に化け、波越八弥はどこから見つけて来たかと思うほどひどいボロを着こんで、頭から
酒菰
(
さかごも
)
をかぶり、うまうまと
非人
(
ひにん
)
に変装した。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
屑屋
(
くずや
)
が
荷
(
にな
)
ふ
大形
(
おおがた
)
な
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)
に、
剰
(
あまつさ
)
へ竹のひろひ
箸
(
ばし
)
をスクと立てたまゝなのであつた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ええ、それさえ知れれば、こんな寒空に
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)
を
担
(
かつ
)
いで、毎日歩き廻ることもねえんです。で御新造様、一体お千絵様は、どこへ立ち退いてしまったものでしょうね?」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あてなどはございません。
河岸
(
かし
)
へ行って
軽子
(
かるこ
)
をしようと、
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)
をかついで紙屑買いをやろうと、無二無三にやって行けば、働いているうちに思案はひとりでにつくと思っているだけで」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)
を持たない屑屋が、人ごみをくぐって、何処かへ姿を消したかと思いますと、それから間もない後、千束の稲吉を中心にして、七、八名の
黒衣
(
くろご
)
の男が、
石和屋
(
いさわや
)
の二階の灯がすいて見える
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鉄
常用漢字
小3
部首:⾦
13画
砲
常用漢字
中学
部首:⽯
10画
笊
漢検1級
部首:⽵
10画
“鉄砲”で始まる語句
鉄砲
鉄砲洲
鉄砲玉
鉄砲丸
鉄砲弾
鉄砲傷
鉄砲組
鉄砲疵
鉄砲風呂
鉄砲洲河岸