トップ
>
鈍重
>
どんじゅう
ふりがな文庫
“
鈍重
(
どんじゅう
)” の例文
廊下
(
ろうか
)
が急にさわがしくなった。講義が中休みになったらしい。やがて小川先生がのっそりはいって来て次郎の横に
腰
(
こし
)
をおろし、その
鈍重
(
どんじゅう
)
な眼で、じっとかれの顔を見つめた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
黄色
(
きいろ
)
なくちばし、その
鈍重
(
どんじゅう
)
なからだつき、そして、たえずものおじする、つぶらな
黒
(
くろ
)
い
目
(
め
)
を
見
(
み
)
ると、いじらしいという
感
(
かん
)
じをさせられた。
私
(
わたし
)
は、この
鳥
(
とり
)
をきらいでなかったのです。
自由
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
氏は、取り
済
(
すま
)
した
花蝶
(
かちょう
)
などより、妙に
鈍重
(
どんじゅう
)
な奇形な、昆虫などに興味を持ちます。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
越後屋佐吉というのは、四十を越したばかりの、
北国者
(
ほっこくもの
)
らしい
鈍重
(
どんじゅう
)
なうちに、なんとなく
強
(
したた
)
か味のある男ですが、女房が不思議な殺されようをしたので、さすがに、すっかり度を失っております。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
船待
(
ふなまち
)
にしては長過ぎるし、多少寝たには違いないが、絶えず気を張っているので、頭も
鈍重
(
どんじゅう
)
になっているところへ、
船出祝
(
ふなでいわ
)
いに出された酒も少しは飲んでいたので、思わず、居眠りも出たというわけ。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
牛丸平太郎は
牡牛
(
おうし
)
のような
鈍重
(
どんじゅう
)
な表情でうなずいた。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
先代
大隅太夫
(
おおすみだゆう
)
は修業時代には一見牛のように
鈍重
(
どんじゅう
)
で「のろま」と呼ばれていたが彼の師匠は有名な豊沢団平俗に「大団平」と云われる近代の三味線の
巨匠
(
きょしょう
)
であったある時蒸し暑い真夏の夜にこの大隅が師匠の家で
木下蔭挟合戦
(
このしたかげはざまがっせん
)
の「
壬生
(
みぶ
)
村」を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と、小川先生はひとりごとのように言って、その
鈍重
(
どんじゅう
)
な眼をぎろりと光らせたが
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
と、
鈍重
(
どんじゅう
)
な声が走った。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鈍重
(
どんじゅう
)
にさえ見える。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“鈍重”の意味
《名詞》
鈍重(どんじゅう)
動作や性質などが鈍くてのろいこと。
(出典:Wiktionary)
鈍
常用漢字
中学
部首:⾦
12画
重
常用漢字
小3
部首:⾥
9画
“鈍”で始まる語句
鈍
鈍色
鈍刀
鈍物
鈍々
鈍間
鈍根
鈍痛
鈍感
鈍器