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金碧
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こんぺき
ふりがな文庫
“
金碧
(
こんぺき
)” の例文
金碧
(
こんぺき
)
の天守閣もない。外廊の諸門も
総見寺
(
そうけんじ
)
の
楼廂
(
ろうしょう
)
もほとんどあとかたなく焼けている。城下町はもっとひどい。野良犬の
漁
(
あさ
)
る餌もなかった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かの日光の
廟
(
びょう
)
の壮厳雄麗、
金碧
(
こんぺき
)
目を
眩
(
くら
)
まし、今日に及んでなお世界万邦の
艶羨
(
えんせん
)
喝采
(
かっさい
)
を博するゆえんのものは、これわが人民が
一抔
(
いっぽう
)
の墓田をも有せず、三尺の石塔をも有せず
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
つい
先達
(
せんだって
)
まで、寛永寺畔一帯に
擾
(
みだ
)
れ咲いていた桜は、もはや名残もなく散り果てて、岡のべの新緑は斜めに差すあざやかな光に、物なやましく映え渡り、
木
(
こ
)
の間がくれに輝やいている大僧坊の
金碧
(
こんぺき
)
が
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
本堂
内陣
(
ないじん
)
横の橋廊下をこえ、さらに大廊下に従って、
墨絵
(
すみえ
)
の
間
(
ま
)
、
金碧
(
こんぺき
)
の
間
(
ま
)
、何の間と、幾つも数えて行かなければ、彼の声は洩れ聞えて来ない。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その日も、狩野永徳は、弟子の山楽をつれて、大坂城内の
金碧
(
こんぺき
)
のふすまに、終日の労作を終えて、帰ったところだった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
それに
相応
(
ふさわ
)
しく華麗豪放な往来人の姿。
燦爛
(
さんらん
)
たる大天守の
金碧
(
こんぺき
)
を
繍
(
ぬ
)
いつづる青葉若葉、——ここでは中国に見られたあの泥土の闘いも人の汗も、遠いものにしか考えられない。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
武蔵の
謙譲
(
けんじょう
)
な気もちは、ただただ勿体ないことと思い、自己の
柩
(
ひつぎ
)
を
金碧
(
こんぺき
)
の霊壇に上し、諸士の拝を受けることは、そのいわれもないし、固く辞退したいとも心に願ったのではあるまいか。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大名小路の
金碧
(
こんぺき
)
さんらんたる門や構えを見て来た眼で——ここの暗やみ坂の青葉の底に、そこらの百姓家の屋根と変らない——ただ鰹木と
注連
(
しめ
)
だけが違う——
佗
(
わび
)
しいお宮を見ると、
猶々
(
なおなお
)
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
顧
(
かえり
)
みれば安土の城頭の
巍然
(
ぎぜん
)
たる
金碧
(
こんぺき
)
もまさに天下
布武
(
ふぶ
)
そのままの
偉観
(
いかん
)
ではあったが、やはり官兵衛の心を深くとらえたものは、この際でも、彼方に打振る一本の日の丸の扇に
如
(
し
)
くはなかった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここは、徳川代々の
廟所
(
びょうしょ
)
じゃないか。この
奢
(
おご
)
り誇った霊廟の
金碧
(
こんぺき
)
を見ろ。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
碧
漢検準1級
部首:⽯
14画
“金碧”で始まる語句
金碧朱白
金碧燦然
金碧燦爛
金碧蒼然