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避難場
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ひなんば
尾籠ながら、
私はハタと
小用に
困つた。
辻便所も
何にもない。
家内が
才覺して、
此の
避難場に
近い、
四谷の
髮結さんの
許をたよつて、
人を
分け、
荷を
避けつゝ
辿つて
行く。
斯んな
時に六
疊が
空いてゐれば、
朝からでも
引込む
場所があるのにと
思ふと、
宗助は
小六に六
疊を
宛てがつた
事が、
間接に
御米の
避難場を
取り
上げたと
同じ
結果に
陷るので