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遠目
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とおめ
ふりがな文庫
“
遠目
(
とおめ
)” の例文
それから——
遠目
(
とおめ
)
にも愛くるしい顔に疑う余地のない
頬笑
(
ほほえ
)
みを浮かべた? が、それは
掛
(
か
)
け
価
(
ね
)
のない一二秒の間の出来ごとである。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
思いきや、時にあなたなる
西側
(
にしがわ
)
の
鯨幕
(
くじらまく
)
をしぼって、すらりと
姿
(
すがた
)
をあらわした
壮漢
(
そうかん
)
の手には、
遠目
(
とおめ
)
にもチカッと光る
真槍
(
しんそう
)
が持たれていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
魔女は、赤い目をしていて、
遠目
(
とおめ
)
のきかないものなのですが、そのかわり、けもののように鼻ききで、人間が
寄
(
よ
)
ってきたのを、すぐとかぎつけます。
ヘンゼルとグレーテル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
遠目
(
とおめ
)
の利く半七は欞子に
縋
(
すが
)
ってしばらく見おろしているうちに、なにを見付けたか急に与七を見かえって訊いた。
半七捕物帳:31 張子の虎
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
木の
性
(
しょう
)
はまるで違うが、花の趣が
遠目
(
とおめ
)
にはどこか
百日紅
(
さるすべり
)
に似たところがある。その後も志下にはたびたび
往
(
い
)
ったが、
駐在所
(
ちゅうざいしょ
)
の
傍
(
わき
)
などに栽植せられているのを見るようになって来た。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
▼ もっと見る
ひどくいそいでいるので、まるで足が地についていないようです。こんども、リスのかごを目がけて、いちもくさんにかけていきます。
遠目
(
とおめ
)
のきくおばあさんには、それがはっきりと見えました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
木綿の糸が細く
糊
(
のり
)
が弱くなって、ぴったりと身につくような近頃の世になると、人の姿の美しさ見にくさはすぐ現われて、
遠目
(
とおめ
)
にも誰ということを知るのであるが、
夕
(
ゆうべ
)
を心細がるような村の人たちは
かはたれ時
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それは
嫌悪
(
けんお
)
を感じさせると同時に好奇心を感じさせるのも事実だった。菰の下からは
遠目
(
とおめ
)
にも両足の
靴
(
くつ
)
だけ見えるらしかった。
寒さ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
雑司ヶ谷から帰って来た白井屋の女房は、
遠目
(
とおめ
)
に半七をうかがって
一途
(
いちず
)
にそう信じた。亭主も同じ疑いを
懐
(
いだ
)
いていたので、夫婦は相談の上で戸塚の市蔵に密告した。
半七捕物帳:64 廻り灯籠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私などの住む附近の
田舎
(
いなか
)
では、この頃は祭礼の
紅
(
あか
)
く染抜いた半てんを着ることが、野らで働く青年の一つの好みになっている。
浜方
(
はまかた
)
ではまた
遠目
(
とおめ
)
には紳士とも見えるような、洋服人が網を
曳
(
ひ
)
いている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その顔は大きい海水帽のうちに
遠目
(
とおめ
)
にも
活
(
い
)
き
活
(
い
)
きと笑っていた。
海のほとり
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
遠
常用漢字
小2
部首:⾡
13画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“遠目”で始まる語句
遠目金
遠目鏡