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追腹
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おいばら
ふりがな文庫
“
追腹
(
おいばら
)” の例文
菊太郎君に至っては、僕が死ねば
追腹
(
おいばら
)
を切る積りだっただけに、中学校以来の責任を感じて、その当座僕の御機嫌を取った。朝、学校へ行く時
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
今更
追腹
(
おいばら
)
も気乗がせず、諸国を医者に化けて廻っているうちに、
相模
(
さがみ
)
の
三増峠
(
みませとうげ
)
の頂上に
於
(
おい
)
て行倒れの老人に
出会
(
でっくわ
)
した。
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
、よく弔うのが、何よりの務じゃ。
追腹
(
おいばら
)
切ろうより、何をしようより、弔って上げなさい。他人の百遍の念仏より、お前の一度の念仏の方がよい功徳になる
寺坂吉右衛門の逃亡
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
甲斐
(
かい
)
へかえるも都へかえるも
詮
(
せん
)
なきこと、
追腹
(
おいばら
)
きって相果てようかと思いましたが、それも
犬死
(
いぬじに
)
、ことによるべなき残り二、三十人の
郎党
(
ろうどう
)
どもがふびんゆえ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは徳川の初め頃であれば
追腹
(
おいばら
)
をすべき者であるが、それは禁制になっているので髷を切って、君侯の柩の中に収めて、その意を致す事になっているのである。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
▼ もっと見る
「三人の妾は身も世もあらぬ
念
(
おも
)
いに歎き悲しむだろう」そして「家中の者は、
追腹
(
おいばら
)
でも切りたい心持になるだろうし」「町内の衆は、光明を
喪
(
うしな
)
ったように落胆するだろう」
銭形平次捕物控:074 二度死んだ男
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「千之丞殿の伯父御は
先殿
(
せんとの
)
様の
追腹
(
おいばら
)
を切られたとかいいますが、それはほんとうのことですか」
半七捕物帳:33 旅絵師
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
老年になってからは、君前で
頭巾
(
ずきん
)
をかむったまま安座することを
免
(
ゆる
)
されていた。当代に
追腹
(
おいばら
)
を願っても許されぬので、六月十九日に
小脇差
(
こわきざし
)
を腹に突き立ててから願書を出して、とうとう許された。
阿部一族
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その後、造酒之助は故あって、主家より
暇
(
いとま
)
を賜わり、江戸に出ていたが、中務大輔
逝去
(
せいきょ
)
の
趣
(
おもむき
)
を伝え聞くや、大坂に在った武蔵を訪うて
私
(
ひそか
)
に永別の
盃
(
さかずき
)
を汲み、姫路に下って
追腹
(
おいばら
)
を切って果てたのである。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
追
常用漢字
小3
部首:⾡
9画
腹
常用漢字
小6
部首:⾁
13画
“追”で始まる語句
追
追従
追々
追剥
追分
追掛
追手
追憶
追付
追駈