身邊あたり)” の例文
新字:身辺
ぢれも肝も悉皆みなおさまりて、思ひ出してさへ魂のふらつく樣な事が御座んす、とは又何ぞと問へば、身邊あたりの新聞をつきつけて、夫れ此處に、と指さすは新の字
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かくて、數時間すうじかんたりしのち身邊あたり人聲ひとごゑさわがしきに、旅僧たびそうゆめやぶられて、ればかはやすあきそらの、何時いつしか一面いちめん掻曇かきくもりて、暗澹あんたんたるくもかたちの、すさまじき飛天夜叉ひてんやしやごときが縱横無盡じうわうむじん𢌞まはるは
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)