トップ
>
赭顔
>
しゃがん
ふりがな文庫
“
赭顔
(
しゃがん
)” の例文
旧字:
赭顏
ギラリと輝く明眸、
茶筌
(
ちゃせん
)
に
結
(
ゆ
)
い上げた逞しい
赭顔
(
しゃがん
)
が現われる。左の
掌
(
て
)
で、
黒漆
(
こくしつ
)
の髯を軽く抑えて、ズイと一足前へ出た——
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
正面の大きな机の向うに、いろいろな平面図や断面図を背にしてすわっているのは、伍長でもあろうか大将でもあろうか、
赭顔
(
しゃがん
)
白髪の堂々たる風貌の軍人。
ノンシャラン道中記:02 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
住職は白頭
赭顔
(
しゃがん
)
、
体躯
(
たいく
)
肥大の人で年頃は五十あまり、客に応接すること
甚
(
はなはだ
)
軽快にしてまた
頗
(
すこぶる
)
懇切である。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
剃刀
(
かみそり
)
を想わせるほそ長い
赭顔
(
しゃがん
)
に、眼の配りが尋常でないのは、さこそと思わせるものがあった。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
猫背で、長いオーバーを
引摺
(
ひきず
)
るように着、
赭顔
(
しゃがん
)
に大きな黒眼鏡をかけた肥満漢であった。
すり替え怪画:烏啼天駆シリーズ・5
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
仏頂寺弥助は、勇仙からつきつけられた色縮緬の胴巻に、
赭顔
(
しゃがん
)
を火のように
映
(
は
)
えらせて
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
すべては、野のなかで行われる
饗宴
(
きょうえん
)
を飾るためであった。そして、彼らを率いて先頭に立つのが、白髪
赭顔
(
しゃがん
)
の隊長である相田清祐であった。陣羽織も
野袴
(
のばかま
)
も折目ただしく端然としていた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
白髯
(
はくぜん
)
赭顔
(
しゃがん
)
のデビス長老が、質素な黒のガウンを着て、
祭壇
(
さいだん
)
に立ったのです。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
白髪
赭顔
(
しゃがん
)
の上野介の眼がギロリと光る。
本所松坂町
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
順昭が、思わず眼をみはると、
籠手
(
こて
)
の傷口を縛りながら、繩付のうしろに付いて控えていた
朝山氏堯
(
あさやまうじたか
)
という
赭顔
(
しゃがん
)
の勇将が、頭を下げて答え直した。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの白髪
赭顔
(
しゃがん
)
のおごそかな姿が、鉄扇を
斜
(
しゃ
)
に構えて、そこにすわっていられたものだが。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
白髪
赭顔
(
しゃがん
)
のワーナー博士は、愛用のパイプから紫煙をゆるやかにくゆらせていた。博士は、ちょっと首を左右にふり向けて室内を見渡した。この部屋にいる者の顔色を打診したのであろう。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
中には
赭顔
(
しゃがん
)
白髪の老船頭もいて、これらは“風見”“水見”といって、内海の水路や天気
癖
(
ぐせ
)
などは
掌
(
て
)
をさすようにそらんじている海の古老たちだった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白髪
赭顔
(
しゃがん
)
の、飛行島建設団長リット少将と、もう一人、涼しそうなヘルメット帽をかぶって白麻の背広のふとった紳士とが、同じように双眼鏡を眼にあててはるか北の方の水平線を眺めている。
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
やがて、閣老の一名であろう、
赭顔
(
しゃがん
)
白髪の見るからに凡庸でない老武士が
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
といったのは、もう一ツの笠、
赭顔
(
しゃがん
)
総髪の武家
体
(
てい
)
です。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
赭
漢検1級
部首:⾚
16画
顔
常用漢字
小2
部首:⾴
18画
“赭顔”で始まる語句
赭顔円目
赭顔疎髯
赭顔白髪
赭顔鶴髪