豪儀ごうぎ)” の例文
そこへ行くとS君の方は東京から大阪とか、奈良とか気の向き次第どこへでも勝手に引越しができるというんだから、豪儀ごうぎなもんです
贋物 (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
弥八 ふんどし担ぎめ、豪儀ごうぎそうな口をくない。さあ野郎、俺と一緒に利根川沿とねがわべりへこい、二、三番揉んだ揚句、川の中へ飛び込ませてやる。
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
「葭町へ出るのか。そいつア豪儀ごうぎだ。子供の時からちょいと口のききようのませた、だったよ。今夜にでも遊びに来りゃアいいに。ねえ、お豊。」
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
依右衛門、金さえめば、どんな無理でも通ると思って居るから豪儀ごうぎでしょう、目黒の尼——通善の親許から嫁入先へ、存分な付け届けをしたから、プツリとも文句を
おや/\前勘まへかんか。いなうでない。……とくいち三等さんとう相場さうばづけである。温泉をんせんあめたなごころにぎつて、がものにした豪儀ごうぎきやくも、ギヨツとして、れは悄氣しよげる……はずところを……またうでない。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「それァ豪儀ごうぎだ。ついでだ、ちょいとおがませな」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)