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見栄坊
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みえぼう
ふりがな文庫
“
見栄坊
(
みえぼう
)” の例文
旧字:
見榮坊
「かわいそうなマリユスだと! あの男はばかだ、悪党だ、恩知らずの
見栄坊
(
みえぼう
)
だ。不人情な、心無しの、
傲慢
(
ごうまん
)
な、けしからん男だ!」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それでも、ここのみんなと同じように、ひとりでいい気になって
見栄坊
(
みえぼう
)
なもんですから、絵では寸法を引延ばして
描
(
か
)
かせたのだわ。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
菊太郎君は
見栄坊
(
みえぼう
)
だった。自分だけ光りたい。そのくせ肚の中では僕を恐れている。今でもそうだが、子供の頃はそれが至って露骨だった。
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「そう損をしてまでも義理が尽されるのは偉いね。しかし姉は生れ付いての
見栄坊
(
みえぼう
)
なんだから、仕方がない。偉くない方がまだ増しだろう」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
またごく
見栄坊
(
みえぼう
)
で、そのうえ多少の才能もあり、金持ちの娘に眼をつけることもでき、また彼がみずから自慢してたように
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
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その
見栄坊
(
みえぼう
)
のモダニティから、(堀木の場合、それ以外の理由は、自分には今もって考えられませんのですが)或る日
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
で、学校に行きたいと
頻
(
しき
)
りにせがんだ。余りに責められるので母は差し当り私を母の私生児として届けようとした。が、
見栄坊
(
みえぼう
)
の父はそれを許さなかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
女性の
何人
(
なんぴと
)
も化粧をするのは
好
(
よ
)
い、
可憐
(
かれん
)
である。美女は美女なりに、
醜女
(
しこめ
)
は醜女なりに、いかにも女性の心の弱さ、お
洒落
(
しゃれ
)
さ、
見栄坊
(
みえぼう
)
であることを象徴して好い。
女性の不平とよろこび
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
見栄坊
(
みえぼう
)
だから、金が無くても金の有る風をして、紙入を叩いて
遣
(
や
)
って了うと、もう汽車賃も残らない。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
意地っ張りで
見栄坊
(
みえぼう
)
の私はそれを白状することが出来ないので、相変らず毎日学校を休み、天気の良い日は海の松林で、雨の日は学校の横手のパン屋の二階でねころんでいた。
石の思い
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
坊ンち育ちに出来ているので、多分に、
見栄坊
(
みえぼう
)
なところがある。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どうしてこの人達は、こんなさもしい
見栄坊
(
みえぼう
)
なんだろうと、帰って来るなり私はこの人達に不快を感じた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
私は我儘者の常として、
見栄坊
(
みえぼう
)
の、
負嫌
(
まけぎらい
)
だったから、平生も余り不勉強の方ではなかった。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
多少
見栄坊
(
みえぼう
)
の私は、いくらすまして歩いても、なんにもならなくなるのである。
畜犬談:―伊馬鵜平君に与える―
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
どんなに砕けて応対してもそれはその人のとって置きの時間内での知己である。麻川氏のような
見栄坊
(
みえぼう
)
な性格の人はなおさら、どんな親しい友人間としても全部の武装を解除しては逢って居まい。
鶴は病みき
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
文学のことは何にも知らなかったが、はるかに好都合なことには、文学者らに知人をもっていた。そして、金持で俗人だったので一種の
見栄坊
(
みえぼう
)
から、内々文学者らの利用するところとなっていた。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
彼は腰板の上に双方の
端
(
はじ
)
を折返して小さく畳んだ袴を、風呂敷の中から出して細君の前に置いた。大の
見栄坊
(
みえぼう
)
で、ちょっとした包物を持つのも
厭
(
いや
)
がった昔に比べると、今の兄は全く色気が抜けていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
れいの
見栄坊
(
みえぼう
)
の気持から、もし万一ひっぱり出されても、何とかして恥をかかずにすまして、助手さんたちの期待を裏切らぬようにしたいと苦心
惨憺
(
さんたん
)
して、さまざま工夫をこらしている
様
(
さま
)
が
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それに天性の
見栄坊
(
みえぼう
)
も手伝って、
矢張
(
やっぱり
)
某大家のように、
仮令
(
たとい
)
襟垢
(
えりあか
)
の附いた物にもせよ、兎に角羽織も着物も
対
(
つい
)
の
飛白
(
かすり
)
の銘仙物で、
縮緬
(
ちりめん
)
の
兵児帯
(
へこおび
)
をグルグル巻にし、
左程
(
さほど
)
悪くもない眼に
金縁眼鏡
(
きんぶちめがね
)
を掛け
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
ただ御自分を
嘲笑
(
ちょうしょう
)
なさっていらっしゃるばかりでは、意味ないわ。ごめんなさい。きっと、あなたは、ひどい
見栄坊
(
みえぼう
)
なのよ。ほんとうに、困ってしまいます。ハムレットさま、しっかりなさいませ。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「そんなに
見栄坊
(
みえぼう
)
では、兵隊になれませんよ。」
未帰還の友に
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
栄
常用漢字
小4
部首:⽊
9画
坊
常用漢字
中学
部首:⼟
7画
“見栄”で始まる語句
見栄
見栄張