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葉卷
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はまき
更つての
話とは
何事だらうと、
私も
俄かに
形を
改めると、
大佐は
吸殘りの
葉卷をば、
窓の
彼方に
投げやりて、
靜かに
口を
開いた。
スパスパやりながら
餘念もなく
其邊を
見廻して
居る
内、
見ると
今葉卷の
箱の
包んであつた
新聞紙。
濱島の
贈つて
呉れた
數ある
贈物の
中、四
角な
新聞包は、
若しや
煙草の
箱ではあるまいかと
考へたので、
急ぎ
開いて
見ると
果然最上の
葉卷! 『しめたり。』と
火を
點じて