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萎々
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なえなえ
ふりがな文庫
“
萎々
(
なえなえ
)” の例文
殺したい、殺したい、殺して死にたい思うても、
傍
(
そば
)
へ行きゃ、ぼっと
佳
(
い
)
い
香
(
におい
)
のするばかりで、筋も骨も
萎々
(
なえなえ
)
と、身体がはや、湿った
粘
(
のり
)
のようになりますだで。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、余程以前から、同じやうな色の
褪
(
さ
)
めた
水干
(
すゐかん
)
に、同じやうな
萎々
(
なえなえ
)
した
烏帽子
(
ゑぼし
)
をかけて、同じやうな役目を、飽きずに、毎日、繰返してゐる事だけは、確である。
芋粥
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
(椿ばけ——ばたり。)と切って放すと、枝も葉も
萎々
(
なえなえ
)
となって、ばたり。で、国のやみが
明
(
あかる
)
くなった——そんな意味だったと思います。言葉は気をつけなければ
不可
(
いけ
)
ませんね。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
目口に
灌
(
そそ
)
ぐ浪を払い払いする手が、乱れた乳のあたりに
萎々
(
なえなえ
)
となると、ひとつ寝の枕に、つんと
拗
(
す
)
ねたように、砂の
衾
(
ふすま
)
に肩をかえて、包みたそうに蓑の片袖を横顔に
衝
(
つ
)
と引いた
姿態
(
なり
)
で
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
清水の
向畠
(
むこうはた
)
のくずれ土手へ、
萎々
(
なえなえ
)
となって腰を
支
(
つ
)
いた。前刻の
婦
(
おんな
)
は、勿論の事、もう居ない。が、まだいくらほどの時も
経
(
た
)
たぬと見えて、人の来て
汲
(
く
)
むものも、菜を洗うものもなかったのである。
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
羽に
点
(
とも
)
れたように灯影が映る時、
八十年
(
やそとし
)
にも近かろう、
皺
(
しわ
)
びた
翁
(
おきな
)
の、彫刻また絵画の面より、頬のやや円いのが、
萎々
(
なえなえ
)
とした
禰宜
(
ねぎ
)
いでたちで、
蚊脛
(
かずね
)
を絞り、鹿革の古ぼけた大きな
燧打袋
(
ひうちぶくろ
)
を腰に提げ
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
萎
常用漢字
中学
部首:⾋
11画
々
3画
“萎”で始まる語句
萎
萎縮
萎靡
萎微
萎気
萎氣
萎枯
萎縮腎
萎垂
萎減