苦行くぎやう)” の例文
『さうかも知れない。併し観音力くわんおんりきにすがるところに盲目的な強味があるとおもひますね。一時流行した覚めた人間にはああいふ苦行くぎやう生活は到底出来ませんよ』
遍路 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
寒念仏寒大神まゐりの苦行くぎやうあらましくだんのごとくなれば、他国はしらず、江戸の寒念仏はだかまゐりにたぐふればはなはだこと也。かゝる苦行くぎやうをなすゆゑにや、その利益りやく灼然いちじるき事を次にしるしつ。
つぎ候樣村中むらちう相談さうだんの上申聞候にかれ幼年えうねんながら發明はつめいにて我々へ申候には山伏やまぶし艱行苦行なんぎやうくぎやうする者にて幼年の私し未だ右等みぎら修行しゆぎやうも致さず候へばしばら他國たこく致し苦行くぎやうを修め候上立戻たちもど師匠ししやうあと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
鞭索べんさく苦行くぎやうに身をきたへたにれの木よ、わたしの悲しい心のよろこび
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
婆羅門ばらもん苦行くぎやう沙門しやもん、あるはまた
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
みなもとは遠き苦行くぎやうの山を出で
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
苦行くぎやうしていのればいづれの神仏も感応かんおうある事を童蒙どうもうしめす。