義弟おとうと)” の例文
あの人は以前くつ売りだったというじゃありませんか。義弟おとうとの張飛は、ついこの間まで、汝南の古城に籠って強盗をしていたというし。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに、義弟おとうとの菊次郎を始め、巴屋七平、江崎屋清五郎などは、滅茶滅茶におだててつかわせて、そのかすりを取ることばかり考えているんだ
今年の初雷の鳴った後をザーッと落して来た夕立の雨、袖を濡らして帰って来たのは村井長庵と義弟おとうと十兵衛、十兵衛の眼は泣き濡れている。
村井長庵記名の傘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一つ違いの義弟おとうとと二つ違いの義姉あねがいて、その義姉が器量よしだと子供心にも判った。
放浪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「おそらくそれは、玄徳の義弟おとうと関羽かんうという者でしょう。関羽のほかには、そうやすやすと、顔良を斬るような勇士はありません」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「品川へ沖釣に行って、自分だけ助かって来たという、亡くなった主人の義弟おとうとの六郎さんというのだね」
「予の義弟おとうとの関羽は、心性率直、情熱は烈火に、われすらなおおそるるほどの男だから、衝突しないように、よく気をつけて語るがいいぞ」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「品川へ沖釣おきづりに行つて、自分だけ助かつて來たといふ、亡くなつた主人の義弟おとうとの六郎さんといふのだね」
「こう敗軍をかさねたのも、ご辺の義弟おとうとたる関羽が敵の中にあるため。……なんとか、そこにご辺として、思慮はあるまいか」と、はかった。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
義弟おとうとの新之助は日本橋へ貸金の取立てに行つたと言ふし、番頭の徳松は主人の代理に下谷へ行つて御馳走になつて遲く歸つたし、徳松の伜の徳三郎は深川に行つたことになつて居る。
ぴょうの軍馬が、それと共に、山の陰から奔進してくる。見れば玄徳の義弟おとうと関羽である。たちまち、八十二斤の青龍刀は周瑜の身に迫ってきた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何千両となく取込んだ義弟おとうとの菊次郎も、巴屋の七平も、江崎屋の清五郎も、私の顔を見て、近頃はもう昔のようにお世辞笑いをしなくなったばかりでなく、わざと私に聞えるように
「それへ来たものは、敵の総帥たる曹操ではないか。われこそは、劉皇叔りゅうこうしゅく義弟おとうと、燕人張飛である。すみやかに寄って、いさぎよく勝負を決しろ」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何千兩となく取込んだ義弟おとうとの菊次郎も、巴屋ともゑやの七平も、江崎屋の清五郎も、私の顏を見て、近頃はもう昔のやうにお世辭笑ひをしなくなつたばかりでなく、わざと私に聞えるやうに
(桃園の縁もはかなき過去と成り果てました。家兄このかみ、はやく兵のご用意あって、義弟おとうとのうらみをそそぎ賜われ……)
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見送りのため、城下はずれまで、駒を並べつついて来た義弟おとうとの小十郎に、彼は、平時のように話しかけていた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やわか、義弟おとうとの関羽を、見殺しになすべきぞ、旁〻かたがた憎むべき劉封、孟達のともがら。断じて、罪せねばならぬ」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「では、かねがね噂に聞いていた関羽、張飛の二豪傑を義弟おとうとに持っておられる劉玄徳と仰せられるのはあなたでありましたか。——これは計らずも、よい折に」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
。まぎれもない義弟おとうとの張飛だ。徐州没落ののち、おのおの離散して半年あまり、計らずもここで巡り会おうとは。——孫乾、貴公すぐに、あの古城へはせ参って、仔細を
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しからん沙汰です。このたび文醜を討ったのも、やはり玄徳の義弟おとうと関羽だということですぞ」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わけて長政にとっては、妻の於市おいちの兄にあたる信長である。かつては、義弟おとうとの自分にも優しい人であっただけに、信長の真に怒った形相ぎょうそうが、ふと、正直な本心を慄然りつぜんとさせた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
酒屋の勘定ぐらいならよいが、官の捕手とりてを殺したのは、雲長の義弟おとうとだと分ったひには、童学草舎へも子供を通わせる親はあるまい。いずれ官からこの雲長へも、やかましく出頭を
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(や。わが義弟おとうとではないか。——関羽、関羽。こんな夜更けに、そも、何しに来たか)
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分の義弟おとうとに張飛というものがある。張飛にくらべれば自分の如きはいうにたらん。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「豪気な男ぶりだの。わしにも、聟の義弟おとうと、こんなうれしいことはありませんがな」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「しかし、昼にちょっとみた、あの義弟おとうとさんとかいう若いの。あの眼が気になるね」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「玄徳の義弟おとうと張飛ちょうひとはおれのこと、この顔を覚えておれ」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀吉は、義弟おとうとの羽柴秀長を呼びよせて、こう告げた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
劉玄徳りゅうげんとく義弟おとうと、関羽というものですが」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ええ、主人の義弟おとうとですの」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「や。や。玄徳の義弟おとうとだ」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
義弟おとうとひるむな」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)