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ことき
ふりがな文庫
“
縡切
(
ことき
)” の例文
ドカドカ
雪崩
(
なだれ
)
込んだ子分たち、親分溝口屋鐘五郎が、
紅
(
あけ
)
に染んで
縡切
(
ことき
)
れた姿を見ると、さすがに乱酔の酒もさめてしまいます。
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのさむらいの
面
(
かお
)
は蝋のように変じて、道庵に抱えられながら、虫の息が、ついに断末魔の息となり、やがて眠るが如く
縡切
(
ことき
)
れてしまいました。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
昨夜あんなに元気だった博士は、もうすっかり血の気を失って、半眼を見開き、口を歪めて、蒲団から上半身を現わしながら、強直して
縡切
(
ことき
)
れていた。
血液型殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
神父は彼がまだ生きてゐると思つてゐて声をかけたが、二度呼んで、
縡切
(
ことき
)
れてゐることが分つた。
イノチガケ:――ヨワン・シローテの殉教――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
縡切
(
ことき
)
れる數時間前お金や子供は寢臺を圍繞して暖い涙を灑ぎ掛けた。之が彼の最後に於ける責めてもの慰藉であつたらう。やがて看護婦は彼の屍に種々の侮辱を加へた。
続俳諧師:――文太郎の死――
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
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驚いて
其
(
そ
)
の手足を
検
(
あらた
)
めると、既に数時間の前に
縡切
(
ことき
)
れたらしい、老人の肉も血も全く冷えていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「おい、たいへんだ。旦那様が
縡切
(
ことき
)
れておいでだ」扉を内側から開けて、下男たちがいった。
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
被害者が完全に
縡切
(
ことき
)
れたか、
止
(
とど
)
めを刺す必要がないかを確かめるために、彼女の心臓の部分に手をあててみると、鼓動がまったく停止していたものだから、すっかり安心して
ペルゴレーズ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
お勢が、恨み深げな眼を、くわっと宙に
睜
(
みひら
)
いて、床のうえで冷たく
縡切
(
ことき
)
れていたのである。
地虫
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「それ。」といって警官の一行は泉原を残したまゝ、五階へ上ると、A夫人は顔を両手に
覆
(
お
)
うて、恐ろしさにワナ/\と打震えていた。寝室にはA老人が冷たくなって既に
縡切
(
ことき
)
れていた。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
新銭座から
下谷
(
したや
)
まで
駈詰
(
かけづめ
)
で緒方の内に飛込んだ所が、もう
縡切
(
ことき
)
れて
仕舞
(
しまっ
)
た跡。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ましぐらに進み行きける
軍
(
ぐん
)
のあと馬
縡切
(
ことき
)
れぬ草は喰みつつ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ドカドカ
雪崩
(
なだれ
)
込んだ子分達、親分溝口屋鐘五郎が、紅に染んで
縡切
(
ことき
)
れた姿を見ると、さすがに亂醉の酒もさめてしまひます。
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
早速
(
さっそく
)
、かゝりつけの太田医学博士が駆けつけて来たが、死後既に十二時間位経過して、昨夜の十時前後にもう
縡切
(
ことき
)
れているので、いかんとも仕方がなかった。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
その上に
白布
(
しらぬの
)
をいっぱいにかぶせてある
体
(
てい
)
を、馬上にいたお雪ちゃんが、最もめざとく見て、そうして、はて、これは急病人ではない、もう
縡切
(
ことき
)
れている人だ、お気の毒な、急病の途中
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
召使が駆けつけたときは、二人は
仰
(
あお
)
のけに倒れて
縡切
(
ことき
)
れていた。
誤診
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
ツイ三四間先には死骸が一つ、中年者の武家姿ですが、右手を
柄頭
(
つかがしら
)
に掛けたまゝ、
大袈裟
(
おほげさ
)
に斬られて、
縡切
(
ことき
)
れてをります。
銭形平次捕物控:126 辻斬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかし老人は枕の上に俯伏せになって、はや
縡切
(
ことき
)
れていた。
自責
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
即座に
縡切
(
ことき
)
れたので、むろん、姓名も住所も分らなかった。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
その間に平次は
四方
(
あたり
)
の様子を念入りに調べます。ツイ三四間先には死骸が一つ、中年者の武家姿ですが、右手を
柄頭
(
つかがしら
)
に掛けたまま、
大袈裟
(
おおげさ
)
に斬られて、
縡切
(
ことき
)
れております。
銭形平次捕物控:126 辻斬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「之アどうする事も出来ない。すっかり
縡切
(
ことき
)
れている」
青服の男
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
頸
(
くび
)
のあたりを一と突きにやられ、床から拔け出し加減に血潮の中に
縡切
(
ことき
)
れ、境の唐紙を開けた次の長四疊には、薄暗い中に据ゑられた不動明王の木像が、
嚇怒
(
かくど
)
の面相物凄く
銭形平次捕物控:130 仏敵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
頸
(
くび
)
のあたりを一と突きにやられ、床から抜け出し加減に血潮の中に
縡切
(
ことき
)
れ、境の唐紙を開けた次の長四畳には、薄暗い中に据えられた不動明王の木像が、
赫怒
(
かくど
)
の面相物凄く
銭形平次捕物控:130 仏敵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
縡
漢検1級
部首:⽷
16画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“縡”で始まる語句
縡