トップ
>
綴糸
>
とじいと
ふりがな文庫
“
綴糸
(
とじいと
)” の例文
今わが
家蔵
(
かぞう
)
の古書
法帖
(
ほうじょう
)
のたぐひその破れし表紙切れし
綴糸
(
とじいと
)
の
大方
(
おおかた
)
は見事に取つぐなはれたる、皆その頃八重が心づくしの形見ぞかし。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
半之助は、日記や見聞記をも照合しながら、幾たびも読み返し、ついには
綴糸
(
とじいと
)
を切って、消してある部分を裏から見たりした。しかし辛うじて
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
扨
(
さて
)
、奧木茂之助は、只機が織り上るとちゃんと之を畳みまして
綴糸
(
とじいと
)
を附ける。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
自分は話をしながら、自分の敷いている座蒲団の
綴糸
(
とじいと
)
というのか、くくり
紐
(
ひも
)
というのか、あの
総
(
ふさ
)
のような四隅の糸の一つを無意識に指先でもてあそび、ぐいと引っぱったりなどしていたのでした。
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
嚔
(
くしゃみ
)
もならず、苦り切って
衝立
(
つッた
)
っておりますると、蝙蝠は翼を返して、
斜
(
ななめ
)
に低う夜着の
綴糸
(
とじいと
)
も震うばかり、何も知らないですやすやと寐ている、お雪の寝姿の
周囲
(
ぐるり
)
をば、ぐるり、ぐるり、ぐるりと三度。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
買って来る書物はたいてい
傷
(
いた
)
んでいる、頁が千切れたり、端が
捲
(
まく
)
れたり、
綴糸
(
とじいと
)
がほつれたり表紙が破れたり、
題簽
(
だいせん
)
の無いものなども少なくない、それを丹念に直して、好みの装幀をして
ひやめし物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
八重その頃は
家
(
いえ
)
の妻となり
朝餉
(
あさげ
)
夕餉
(
ゆうげ
)
の仕度はおろか、
聊
(
いささ
)
かの
暇
(
いとま
)
あればわが
心付
(
こころづ
)
かざる
中
(
うち
)
に机の
塵
(
ちり
)
を払ひ
硯
(
すずり
)
を清め筆を洗ひ、あるいは蘭の
鉢物
(
はちもの
)
の虫を取り、あるいは古書の
綴糸
(
とじいと
)
の切れしをつくろふなど
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
と
蓐
(
とこ
)
の
綴糸
(
とじいと
)
を引張って
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
綴
漢検準1級
部首:⽷
14画
糸
常用漢字
小1
部首:⽷
6画
“綴”で始まる語句
綴
綴方
綴込
綴喜
綴錦
綴織
綴字
綴文
綴合
綴音