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糧食
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かて
雪の
圍が、たやすく得べきにあらざる
勝利をノヴァーラ人に與ふるなからんため
糧食を身の
固となせといへ —六〇
海王降参の
表示として、何を陸王に
献るべきやと問うと、百ガルヴァルだけ
糧食を
上れと答う。
『おゝ、それも
左樣だ、
私の
考通りにも
行かないな、
之から
糧食を
積入れたり、
飮料水の
用意をしたりして
居ると、
矢張出發は
明朝になるわい。』と
獨言つ、
此男例もながら
慓輕な
事よ。
最早起上る
勇氣もない、『えい、
無益だ/\、
糧食は
盡き、
滊船は
見えず、
今更たよる
島も
無い。』と
思はず
叫んだが、
不圖傍に
日出雄少年が
安らかに
眠つて
居るのに
心付き、や、
詰らぬ
事をと