竹行李たけがうり)” の例文
竹行李たけがうりを引出して、ポンと蓋を拂ふと、中には思ひの外の贅澤な着物。下女や端女はしための持物らしくないのが、幾枚も出て來るのです。
ねんのため、此處こゝに、竹行李たけがうりがある。ソレ、ぢやうりるわ。はや人參にんじんなかれて、おぬし天川屋あまがはやところで、のつしとこしけてばんをしててくれい。いか、いかな。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
布團一とそろひ竹行李たけがうりが一つ、外に何もありません——。竹行李の中にも、お勘坊相應の着物があるだけ。
竹行李たけがうりこしけて、端坐たんざした人參にんじん手代てだい端坐たんざだけにける。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
男達三四人は其處に雜魚寢ざこねをする樣子で、まだ床も敷きつ放しですが、何の變つたところも無く、倉松の荷物といふ、小さい竹行李たけがうりを、引くり返して調べたところでも
不承々々下男に言ひ付けて、奉公人の部屋から、古い竹行李たけがうりを一つ持つて來させました。
三尺の押入を開けると、上は夜の物、下は竹行李たけがうりが一つ、ふたをあけると、中から着換が二三枚と、新しい手拭と三尺と、塵紙ちりがみが少々、それに小錢の少し入つた財布さいふと、紙の包が一つあります。
小さい竹行李たけがうりがたつた一つ。