“突刺(つきさ)” の例文
「頸(くび)のところを突刺(つきさ)されたんです。もう少し早く手当をすれば、或(あるい)は助かったかも知れませんが、斯う出血がひどくては……」
天狗岩の殺人魔 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
伊予の大洲(おおず)のあたりでは、百舌は友人の時鳥に昔から借りがあって、それを返弁するために時々は蛙(かえる)などを捕って、枯枝のさきに突刺(つきさ)して置く約束をした。
あゝ、それぢや、木彫(きぼり)の美人(びじん)が、父(ちゝ)のナイフに突刺(つきさ)されて、暖炉(ストーブ)の中(なか)に焼(や)かれた時(とき)まで、些(ちつ)とも其(そ)の秘密(ひみつ)を明(あ)かさなかつた、微妙(びめう)な音(ね)のしたものは、同一(おなじ)、此(こ)の采(さい)であつたかも知(し)れない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
唯(と)、紫玉の手には、づぶ/\と響いて、腐れた瓜(うり)を突刺(つきさ)す気味合(きみあい)。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)