穴熊あなぐま)” の例文
そして猟をすると、きじはと山鶏やまどりうさぎ穴熊あなぐまなど、面白いほどとれましたし、ときには、大きな鹿しかゐのししなどもとれました。
悪魔の宝 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
くじに当たった男は新平しんぺいというわかい力持ちの男だった。りょうに行って穴熊あなぐまりにしたことのある男で、村でも指りの度胸のいい男であった。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
「雪にとじられていた穴熊あなぐまも、かくなっては、春の日長を待ちきれなくなったものとみゆる」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぴんからきりまで心得て穴熊あなぐま毛綱けづな手品てづまにかゝる我ならねば負くるばかりの者にはあらずと駈出かけだしして三日帰らず、四日帰らず、あるいは松本善光寺又は飯田いいだ高遠たかとおあたりの賭場とばあるき
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
たぬきぞくにむじなともいひますが、これは地方ちほうによつてさういふのでたぬきもむじなとおなじです。また穴熊あなぐまのことをむじなとよぶ地方ちほうもあり、夏時なつどきのたぬきのことをむじなといふところもあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)