トップ
>
禿筆
>
ちびふで
ふりがな文庫
“
禿筆
(
ちびふで
)” の例文
鼻紙を一枚、念入りに
皺
(
しわ
)
を
拵
(
こさ
)
えて、ガラッ八の膝の下に置くと、
禿筆
(
ちびふで
)
へたっぷり
墨汁
(
すみ
)
を含ませて、嫌がる手に持たせました。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、眉毛に火のつくなかで自若たる泰軒、ふところをさぐって取り出したのは殺生道中血筆帳の一冊、
禿筆
(
ちびふで
)
の先を小松数馬の斬り口へ塗って血をつけ——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
板のやうな掛蒲団を
袷
(
あはせ
)
の上に
被
(
かぶ
)
つて
禿筆
(
ちびふで
)
を噛みつゝ原稿紙に
対
(
むか
)
ふ日に焼けて
銅
(
あかゞね
)
色をしたる頬の
痩
(
やつ
)
れて
顴骨
(
くわんこつ
)
の高く現れた神経質らしい
仝
(
おな
)
じ
年輩
(
としごろ
)
の男を冷やかに見て
貧書生
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
のつそつしながら
煤
(
すす
)
びたる
行燈
(
あんどん
)
の横手の
楽落
(
らくがき
)
を
読
(
よめ
)
ば山梨県士族
山本勘介
(
やまもとかんすけ
)
大江山
(
おおえやま
)
退治の際一泊と
禿筆
(
ちびふで
)
の
跡
(
あと
)
、さては英雄殿もひとり旅の退屈に閉口しての
御
(
おん
)
わざくれ
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
新墓
(
にいつか
)
の垣に紅白の
木槿
(
もくげ
)
が咲いて、あかい小さい
蜻蛉
(
とんぼ
)
がたくさん集まって飛んでいる。
卒塔婆
(
そとば
)
の新しいのに、和尚さんが例の
禿筆
(
ちびふで
)
をとったのがあちこちに立っている。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
鼻紙を一枚、念入りに
皺
(
しわ
)
を拵へて、ガラツ八の膝の下に置くと、
禿筆
(
ちびふで
)
へたつぷり
墨汁
(
すみ
)
を含ませて、嫌がる手に持たせました。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
紙袋は小間物屋の店使いの品らしく、文字はまだ乾いていないところをみると、番頭の
禿筆
(
ちびふで
)
で、ちょいと走り書にして使いの者に持たせたのでしょう。
銭形平次捕物控:052 二服の薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と言つたやうな事を、
惚氣交
(
のろけまじ
)
りに、番硬の
禿筆
(
ちびふで
)
で根氣よく鼻紙三枚半にのたくらせたものです。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
といったような事を、
惚気
(
のろけ
)
交りに、
番硯
(
ばんすずり
)
の
禿筆
(
ちびふで
)
で根気よく鼻紙三枚半にのたくらせたものです。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
紙片は半紙を四つに切つて、それに
禿筆
(
ちびふで
)
で書いたもの
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“禿筆”の意味
《名詞》
穂先が擦り減った筆。
自分が作成した文章を謙遜する語。
(出典:Wiktionary)
禿
漢検準1級
部首:⽲
7画
筆
常用漢字
小3
部首:⽵
12画
“禿”で始まる語句
禿
禿頭
禿山
禿鷹
禿顱
禿茶瓶
禿鷲
禿安
禿木
禿上