福岡ふくおか)” の例文
名は信恬しんてん、通称は辞安じあんという。伊沢うじ宗家そうか筑前国ちくぜんのくに福岡ふくおかの城主黒田家くろだけの臣であるが、蘭軒はその分家で、備後国びんごのくに福山の城主阿部伊勢守あべいせのかみ正倫まさともの臣である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
敦賀つるが大分おおいた名東みょうとう北条ほうじょう、その他福岡ふくおか鳥取とっとり、島根諸県には新政をよろこばない土民が蜂起ほうきして、斬罪ざんざい、絞首
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かくて六箇むつの車輪はあたかも同一ひとつの軸にありて転ずるごとく、両々相並びて福岡ふくおかというに着けり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三の戸、金田一、福岡ふくおかと来りしが、昨日きのう昼餉ひるげたべはぐりてくるしみければ今日はむすび二ツもらい来つ、いで食わんとするに臨み玉子うる家あり。価を問えば六りんと云う。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そうして東京、横浜よこはま沼津ぬまづ静岡しずおか浜松はままつ名古屋なごや大阪おおさか神戸こうべ岡山おかやま広島ひろしまから福岡ふくおかへんまで一度に襲われたら、その時はいったいわが日本の国はどういうことになるであろう。
時事雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
二人は久留米くるめから、一人は因州から、一人は福岡ふくおかから、一人は金沢から、一人は柳川やながわから、二人はから、一人は福井から、一人は佐賀から、一人は広島から、五人は桑名から
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
(「螢光板」への追記) 前項「灸治」について高松たかまつ高等商業学校の大泉行雄おおいずみゆきお氏から書信で、九州福岡ふくおか原志兔太郎はらしずたろう氏が灸の研究により学位を得られたと思うという知らせを受けた。
自由画稿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
東京から福岡ふくおかに至るまでのあらゆる大小都市の重要な文化設備が一時に脅かされ
天災と国防 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)