眞率しんそつ)” の例文
新字:真率
眞率しんそつな演者には最も大切な要點であるのに、滿堂の生徒は申し合はせた樣に一齊にどツと笑つた。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
かれ坂井さかゐいへに、たゞいやしくもまぬかれんとする料簡れうけんつた。さうして、その目的もくてきたつするために、はぢ不愉快ふゆくわいしのんで、好意かうい眞率しんそつちた主人しゆじんたいして、政略的せいりやくてき談話だんわつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
むし其心そのこゝろばせの眞率しんそつ無邪氣むじやきところおもへばじつうつくしさをかんずるのです、ぼくは。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
〔譯〕人は、厚重こうちようを貴ぶ、遲重ちちようを貴ばず。眞率しんそつたつとぶ、輕率けいそつを尚ばず。