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眞最中
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まつさいちう
なし是より三人
連にて丸龜城下なる後藤半四郎の方へと
到りけり又後藤方にては此日は
丁度稽古日にて
多の
門弟聚り
竹刀の
音懸聲等
喧びしく今
稽古眞最中なる所へ三人は
玄關に
懸り
案内を
後藤へ申けれども
今稽古の
眞最中にて取次の云事は少しも
耳に入ず
稽古の
邪魔なりと
叱り付られ門弟は
膽潰して又々
玄關へ
立出若名前が
違はせぬかと聞に長八
否相違御座なく先年熊谷土手にて御世話に
預りたる者にて候と云ば門弟は然樣かと云ながら
稽古場へ行て見るに今後藤は稽古を