看病みとり)” の例文
何故に殺すべき長々なが/\の御病氣なれば我がいのちかへてでも御全快ぜんくわいあるやうにと神に祈り佛を念じ永の年月及ぶだけ看病みとりに心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そんなときの阿野廉子あのやすこは、たとえば下世話でいう世話女房ぶりの実意を帝の看病みとりにつくして、ほかの二人の妃にも一切、手をかけさせないほどだった。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
父が三方子川ぽうしがわから救いあげてきた柳生源三郎、わが家の奥座敷にやまいを養い、このお露が、朝夕ねんごろに看病みとりをするうちに、見る人が思わずおどろきの声を発するほどの
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
のみねといと信實まめやか看病みとりなせども今ははや臨終いまはの近く見えければ夫婦ふうふ親子の別れのかなしさ同じ涙にふししばおこる日もなき燒野やけの雉子きゞす孤子みなしごになる稚兒をさなごよりすてゆく親心おやごころおもまくら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
このごろ人をいとうて看病みとりの者さえあまり近づけない弥生……若い乙女の病室とも思われなく寒々しくとり乱れて、さっき女中が運んで来た夕餉ゆうげの膳にさえまだ箸がつけてない。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ひきたるが初めにて一兩日すぐうち發熱はつねつはなはだしく次第にやまおもりて更に醫藥いやくしるしも無く重症ぢうしやうおもむきしかば吉兵衞は易き心もなくことに病ひのためちゝは少しも出ず成りければ妻の看病みとり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)