皮切かはきり)” の例文
山田やまだすで其作そのさく版行はんかうしたあぢを知つてるが、石橋いしばしわたしとは今度こんど皮切かはきりなので、もつと石橋いしばしは前から団珍まるちんなどに内々ない/\投書とうしよしてたのであつたが、かくして見せなかつた
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ところ發頭人ほつとうにん手前てまへ出來できませぬまでも、皮切かはきりをいたしませぬと相成あひなりませんので。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
アルマ・グルツク女史といへば米国で名高い高調子の歌手ソプラノ・シンガアで、欧羅巴ヨーロツパの本場仕込しこみでなくて、グランド・オペラの一流株になつたのは、女史が皮切かはきりだといふ、米国ではちやきちやきの歌手うたひてである。
「ぢや、代さん、皮切かはきりに何か御り」と今度は代助に云つた。代助はひとに聞かせる程の上手でないのを自覚してゐた。けれども、そんな弁解をすると、問答が理窟くさく、しつこくなるばかりだから
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ところ發頭人ほつとうにん手前てまへ出來できませぬまでも皮切かはきりをいたしませぬと相成あひなりません。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)