皇国みくに)” の例文
旧字:皇國
白亀の改元かいげん白鳥しらとり神瑞しんずゐ、八幡のはと、源家のはた、すべて白きは 皇国みくに祥象しやうせうなれば、天機てんき白熊はくいうをいだししも 昇平万歳しようへいばんぜいの吉ずゐ成べし。
⦅宝玉も、黄金の鍛冶場も、陛下の皇国みくに全体も要りませぬ。それよりも、オクサーナをば遣はしなされませ!⦆つてな。
また論語ろんごにしがみついたりしましたが——ふと、国学にはいって、この皇国みくにの真髄を明示されてから、断然、髪をたくわえて、江戸にのぼりました。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かたがたもっていささか皇国みくにの光を異境に発揚せずんばあるべからず、とコン吉においてはタヌもろ共、ああでもない、こうでもない、「首」ひねったあげく、やがて妙趣天来。
「毛唐め! やりおる! やりおる! あのように皇国みくにの海を人もなげに走りおる!」
船医の立場 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
皇国みくにの疲労に相成らざるやう心掛くべき所、開港以来諸品高価のうちには、糸類は未曾有の沸騰に乗じ、諸国糸商人共へ相場状そうばじようにて相進め、頻りに横浜表へ積出させ候につき、糸類悉く払底
たのしみは戎夷えみしよろこぶ世の中に皇国みくに忘れぬ人を見るとき
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
皇国みくににつくす まごころは
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
ただそれこの皇国みくにを害するほどな稀代な悪人でない限りには、たとえいま小罪があろうとも生けるうちに一善をもなして国のために奉じる日もあろうかと思われる人間は。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あの上に日章旗を押したててね、(高い山から谷底見れば——)の一つも歌ってさ、皇国みくにの光を八紘はっこうに輝やかさではおくべきや、エンサカホイ、ってわけなんだよ。……どう、わかったかい。
「田野のなかにも、無智な田夫でんぷばかりはいない。真実をわきまえている怖ろしい民もいる。……世はみだれても、やはりかわらぬ皇国みくに、そこの土に生きる民くさ、明国みんこくや朝鮮とはちがう」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これが、一私人の栄華とか、城郭を飾るとかいう財なら、わしに奉行はできんが、皇国みくにのためなら、水戸一藩が、ひえあわを喰い、百姓にのぞんでは、不愍ふびんと思うことでも、い得る信念がある
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)