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白身
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はくしん
鱗に、爪に、角に、一糸掛けない
白身を
抱かれ包まれて、
渡津海の広さを散歩しても、あえて世に
憚る事はない。誰の目にも触れない。人は
指をせん。
雨を得た市民が、
白身に
破法衣した女優の芸の徳に対する新たなる
渇仰の
光景が見せたい。
鯉は、
其は
鯉でせう。が、
玉のやうな
眞白な、あの
森を
背景にして、
宙に
浮いたのが、すつと
合せた
白脛を
流す……
凡そ
人形ぐらゐな
白身の
女子の
姿です。
釣られたのぢやありません。
糸も掛けない素の
白身、雪の
練糸を繰るように、しなやかなものである。
其處へも
出て
來て、
白身の
婦人を
見て
居るのかも
知れません。