発見めつ)” の例文
旧字:發見
何でも相手の銃先つゝさきからのがれたい一心で、死物狂しにものぐるひに踠いてゐるうち、古い柳の根を発見めつけて、それにすがつてやつとこさであがる事が出来た。
忌々いま/\しさうに頭をふつて、急に急足いそぎあし愛宕町あたごちやうくらい狭い路地ろぢをぐる/\まはつてやつ格子戸かうしどの小さな二階屋かいやに「小川」と薄暗い瓦斯燈がすとうけてあるのを発見めつけた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
其れが貢さんには、蛇のあな発見めつけたのでらうぢや無いかと相談して居るやうに思はれた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
むかし支唐禅師ぜんじといふ坊さんが、行脚あんぎやをして出羽の国へ往つた。そして土地ところ禅寺ぜんでら逗留とうりうしてゐるうち、その寺の後方うしろに大きな椎の木の枯木かれきがあるのを発見めつけた。
主人の政治学者は事によつたらあの通り綿密こまめな内田氏の事だ、案内書の本文にどこか間違でも発見めつけて、それをわざ/\気をつけに来たのではあるまいかと思つた。
政治家ほど無益やくざな者は無いが、その政治家をけたら、鼠ほど無益やくざな余計者は滅多にあるまい。その鼠の征服者として猫を発見めつけた事は、アメリカ大陸の発見にもまさる人生の重大事である。