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癢
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かゆ
ふりがな文庫
“
癢
(
かゆ
)” の例文
体が
癢
(
かゆ
)
くて困るといわれてうちの代診の工夫で
硫黄
(
いおう
)
の
風呂
(
ふろ
)
を立てたこともあり、
最上
(
もがみ
)
高湯の湯花を用いたことなどもあった。
三筋町界隈
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
顔のどの部分と言わず
癢
(
かゆ
)
い吹出ものがして、
膿
(
う
)
み、
腫
(
は
)
れあがり、そこから血が流れて来た。
制
(
おさ
)
えがたく若々しい青春の
潮
(
うしお
)
は身体中を
馳
(
か
)
けめぐった。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
犬は自分の汚さは自覚していないが、しかし
癢
(
かゆ
)
いことは感ずるから後脚でしきりにぼりぼり首の周りを掻いていた。
二科展院展急行瞥見
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
へえー……
何
(
なに
)
を。長「
松花堂
(
しようくわだう
)
の三
教
(
けう
)
醋吸
(
すすひ
)
の
図
(
づ
)
で、
風袋
(
ふうたい
)
一
文字
(
もんじ
)
が
紫印金
(
むらさきいんきん
)
だ、よく見て
覚
(
おぼ
)
えて置け。弥「へえー
紫色
(
むらさきいろ
)
のいんきんだえ、あれは
癢
(
かゆ
)
くつていけねえもんだ。 ...
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして、僅かに一撫ですると火のようにほてっていた傷のほてりが、湯気のたちのぼって消えるようになくなってしまった。再び撫でまわすと
癢
(
かゆ
)
いようないい気もちになった。
嬌娜
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
癢
(
かゆ
)
き処へ手の届く、都の如才内儀の世話程にこそなけれ、田舎気質の律義なるに評判売れて、次第に客の数も殖ゑ。いつしか下宿屋専業とはなりて、おひおひ広やかなる方に引移りたまひたれば。
葛のうら葉
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
さて
暫
(
しばら
)
くまどろんだと思ふ時分に
頸
(
くび
)
の処に焼けるやうな
癢
(
かゆ
)
さを覚えて目を
醒
(
さ
)
ました。私は
維也納
(
ウインナ
)
以来の
屡
(
しばしば
)
の経験で直ぐ
南京
(
ナンキン
)
虫だといふことを知つた。
南京虫日記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
それは牛の角の
癢
(
かゆ
)
くなるといふ頃で、斯の枯々な山躑躅が黄や赤に咲乱れて居たことを思出した。そここゝに
蕨
(
わらび
)
を
采
(
と
)
る子供の群を思出した。山鳩の
啼
(
な
)
く声を思出した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
藪蚊と毒虫に
螫
(
さゝ
)
れるので
癢
(
かゆ
)
くて堪りませんから、掻きながら様子を立聞をして居ました。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
癢
漢検1級
部首:⽧
20画
“癢”を含む語句
技癢
歯癢
痛癢
癢処
癢味
肉癢