“痛痒:いたがゆ” の例文
“痛痒:いたがゆ”を含む作品の著者(上位)作品数
徳田秋声2
江見水蔭1
泉鏡花1
佐左木俊郎1
吉川英治1
“痛痒:いたがゆ”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
と、施薬院は事もなげに平常どおりな挨拶をのべた。信長のことにはすこしも触れて来ないのが、光秀には何となく痛痒いたがゆい気がした。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
眼はただ一人助かったなれど、その代り右の手の甲を毒虫にされたので、それがいつまでも痛痒いたがゆくて何んとしても耐えられぬのであった。
怪異黒姫おろし (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
母親は齲歯むしば痛痒いたがゆく腐ったような肉を吸いながら、人事ひとごとのように聞いていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
皮膚と筋肉との間を痛痒いたがゆい幾百の虫が駆け巡っているような憂鬱感だった。
恐怖城 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
痛痒いたがゆくなって来ると、叔母は苦しがって泣いていた。それが堪えられなくなると、近所から呼んで来た按摩あんま蚊帳かやのなかへ呼び込んでは、小豆あずきの入った袋で、患部をたたかせた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼はえきってしまった古創ふるきずあとに触わられるような、心持ち痛痒いたがゆいような感じで、すっかりちまたの女になりきってしまって、悪くぶくぶくしている彼女の体を引っ張っているのが物憂ものうかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
自分を自分から離して、冷やかに眺めてさばき、深く自省に喰い入る痛痒いたがゆ錐揉きりもみのような火の働き、その火の働きの尖は、物恋うるほど内へ内へと執拗しつこく焼き入れて行き、絶望と希望とが膜一重となっている胸の底に触れたと思ったとき、自分はまた裂けた。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ちゃんと金子を突いたでねえから、抱えぬしの方で承知しねえだよ。ったんだの挙句が、小春さんはまたつまを取っているだがね、一度女房にした女が、客商売で出るもんだで、がふけてでも見なさいよ、いらいらして、逆気上のぼせあがって、痛痒いたがゆい処を引掻ひっかいたくらいでは埒あかねえで、田にしも隠元豆も地だんだをんで喰噛くいかじるだよ。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)