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痕迹
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あとかた
ふりがな文庫
“
痕迹
(
あとかた
)” の例文
こう云う記憶の、しだいに沈んで
痕迹
(
あとかた
)
もなくなるまで、御互の顔を見ずに過すほど、宗助と安井とは疎遠ではなかった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
忽
(
たちま
)
ちその「ましん」も生徒も
烟
(
けぶり
)
の如く
痕迹
(
あとかた
)
もなく消え
失
(
う
)
せて、ふとまた木目が眼に入った。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
此日隣のは
弥々
(
いよいよ
)
浅ましい姿になって其惨状は筆にも紙にも尽されぬ。一度
光景
(
ようす
)
を
窺
(
うかが
)
おうとして、ヒョッと眼を
開
(
あ
)
いて視て、
慄然
(
ぞっ
)
とした。もう顔の
痕迹
(
あとかた
)
もない。骨を離れて流れて了ったのだ。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ
記憶
(
きおく
)
の、
次第
(
しだい
)
に
沈
(
しづ
)
んで
痕迹
(
あとかた
)
もなくなる
迄
(
まで
)
、
御互
(
おたがひ
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
ずに
過
(
すご
)
す
程
(
ほど
)
、
宗助
(
そうすけ
)
と
安井
(
やすゐ
)
とは
疎遠
(
そゑん
)
ではなかつた。
二人
(
ふたり
)
は
毎日
(
まいにち
)
學校
(
がくかう
)
で
出合
(
であ
)
ふ
許
(
ばかり
)
でなく、
依然
(
いぜん
)
として
夏休
(
なつやす
)
み
前
(
まへ
)
の
通
(
とほ
)
り
徃來
(
わうらい
)
を
續
(
つゞ
)
けてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
痕
常用漢字
中学
部首:⽧
11画
迹
漢検1級
部首:⾡
10画
“痕”で始まる語句
痕
痕跡
痕形
痕々